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テレビシリーズ『無敵鋼人ダイターン3』から『機動新世紀ガンダムX』までのラフデザインを収録した記録が本書である。人気の高い作品だけあって、大河原氏の『MECHANICAL DESIGN』シリーズではもっとも分厚い一冊となっている。 本書を紐解いてみると、ガンダムの新作を作るたびに驚くほど新しいデザインが生み出されている事が分かる。ZガンダムやF91では、ガンダムのデザインを一から定義しなおし、次々と規制の路線にとらわれないデザインを描いていく様は鮮やかというほかない。勿論敵メカにしても同様で、さぞや登場すれば個性的で印象に残ったであろうデザインも少なくない。これらの没デザインの中には、『バイファム』『ドラグナー』『レイズナー』などにも使われているものもあるから、『REAL ROBOT DESIGN WORKS』も併読したいところである。 勿論没デザインは他の作品にスピンオフするばかりではなく、ガンダム内でも色々な形で復活しているから面白い。ガンタンクのラフデザインが後のF90Sタイプに活かされていたり、決定稿では削除されたガンキャノンのディテールが、後の『THE ORIGIN』のデザインで復活していたりと、ディープなファンであればあるほど楽しめるのだ。 本書に収録されたデザインの中でも、とりわけ興味深かったのは、Vガンダムに出てきたザンスカール帝国のMSだろう。当時はF91のCV軍の焼き直しに思えた敵MSのデュアルアイが別のモチーフから由来するものだったりと、意外なルーツを知ることもできる。 兎に角、一読の後は『ガンダム』ワールドを見る目が変わる本である。 ただ、それだけに発行された当時の全作品を収録しようとしたために、一部の作品がおざなりになってしまったのが惜しまれる。 新しいコンセプトで作られた『ターンAガンダム』のウァッドや、『G-SAVIOR』のデザインが載っていないのは、かなり残念だ。他の作品よりは人気があるシリーズである。欲を言えば、上下巻にしても良かったのではないだろうか。