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丹沢今昔―山と沢に魅せられての商品レビュー 神奈川県の貴重な自然遺産
丹沢といえばこの人といわれる、奥野幸道さんが以前に神奈川新聞に丹沢今昔として連載されていたものに、ご自身の丹沢に関わる想い出や丹沢で出会った方々との交友を加筆した山岳紀行です。丹沢は神奈川県北西部と山梨県との県境に広がる山地で、東は落語にもある大山から西は山中湖に通じる篭坂峠に至ります。標高1600米を超える山は蛭ヶ岳など数峰で岩壁もすくないため登攀山地としては注目されることもないですが、水無川(途中で川の水が地中に伏流して水が見えなくなる。今でも上流の堰止めにいくとこの現象が見られる)や早戸川など水系に恵まれ美しい渓流が多い点では他の有名山地に劣ることはない神奈川県の貴重な自然遺産。本書はそんな丹沢の山や沢など50ポイントについて紹介しながら、丹沢暦60年になる奥野さんが文字通り足で集めた丹沢各地に残る言い伝えや故事が山岳家らしい簡潔な文章で綴られており、日本武尊が東征の折に立ち寄られたとか(蓑毛、津古久峠―草薙の剣)、武田信玄の隠し湯(中川温泉)や金鉱発見説(玄倉)とか折花姫(姫次)哀話などを本書から知ることができます。そして何と言っても本書の素晴らしさは、今昔の題名通り各50箇所について必ず二葉のモノクロ写真が添えられており、そのうちの一葉には今となってはもう見ることができなってしまった往時の丹沢諸相が写し出されていることです。中には山中の分校校舎やとっくになくなってしまった世附川付近の森林軌道、かって話題になったこともある塩川鉱泉のランプ宿、峠に佇む石仏群等など貴重な写真も多くありますが、それ以外にも登山口に至るまでに散在する集落や山あいの田園風景などの写真を見ると、「小鮒釣しかの川、兎追いしかの山」の故郷の原風景に触れたようなノスタルジックな感慨を覚えます。(ロングバージョンのレビューは http://shonan.qlep.com/のレジャー→エンタメでどうぞ) 本の最新売り上げランキング - トップ10 | |||||||