☆ネット企業が煙たがる本!
楽天のTBS買収問題で、再び論議を呼んでいるニューエコノミーVS守旧派の戦いですが、この本では「六本木ヒルズという新たな伏魔殿」の実態に迫っています。自慢とも愚痴ともつかぬ社員の告白が、独特のいい味わいを出してます。
経済評論家、山崎元氏の発言に次のようなものがありましたが、本書が明らかにしているのはまさにこの具体例、実例でしょう。
「六本木ヒルズ資本主義は、労働の搾取に関しては古典的です。「会社は人を使う仕組みである」、「営業は気合いと根性」(いずれも堀江貴文氏の著作『稼ぐが勝ち』から)といった平凡・着実な構想の下で、株価のためのイメージを支えるキャッシュフローを作ろうとします。すると、現実の会社は、資産数十億円以上のにわか長者を支えて、年収数百万円の働きアリが多数長時間労働する形になります」
まさにこの指摘は正鵠を射ています。
転職を考える人にお勧め
綿密に取材されていてIT業界の内情がよくわかる本。特にヤフーの人事制度/給与体系はリアル。
業界ではよく知られていることだが、
「入社時に人事部から年4回昇進のチャンスはあるが実際はない」
「入社時の給与交渉が全て」
など、素晴らしい業績に隠れた硬直的な人事制度が、取材によって明らかになっている。
不満をもって辞めていく社員が多いと、このように外部の取材ですぐに内部の事情ももれてしまうのだろうと推測される。
ライブドアに関しても、極端な結果主義のもたらす良い面(高待遇の社員が生まれている)がある一方で、その弊害も書かれていておもしろい。
ひとくちにIT企業といっても、それぞれの会社にカルチャーとそれを反映した人事制度があり、IT業界に転職/就職される方は、この本を読んで、事前に自分にあった会社を探すとよいのでは、と感じた。