一気にクリアになった
「オープンソースってものがあるよね」
「オープンソースがいいらしい」
「いや、あれじゃだめだ」
これまでは、オープンソースという仕組み・実態がどういうものなのか非常に気になりつつも、漠然としたイメージしか持っていなかった。また、オープンソースを解説した本はいろいろあったが、直接、システム開発業務等に従事しているわけではない自分には少々ハードルが高く、読み終わっても十分に理解できるようには思えなかった。
この本は、そんな自分にとってオープンソース理解の突破口になった。その意義、優位性が非常にやさしく解説されているとともに、一般的にオープンソース採用にあたって抱く様々な不安点をひとつひとつあげた上で、その考え方のどこが実情と違っているのか、誤解なのか、丁寧に説明されている。何よりも説得力があるのは、外食に勤める著者が、自社で開発したシステムをオープンソース化し、それを多くの同業他社が利用しているという体験を持つことだ。最初にその話をニュースで読んだ時には「そんな!多額のコストをかけて開発したものをライバル会社に?しかもあんな大きな会社が!?」と驚いたのだが、本を読んでゆくと、どういった経緯・発想でオープンソース化したのか、会社として業界としてどんなメリットがあるのか、会社に対してはどう説得をしたのか、などが明らかになってゆく。(逆に、委託開発の際に、外部の開発会社に“囲い込まれ”て、本来主導権をとるべき顧客企業が開発会社の顔色を伺い、不満をためてゆく過程の話なども、実によく聞く話で面白かった)文庫本サイズのとても小さな本だが、価格をはるかに上回る価値・情報量の一冊だと思う。