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筆者の自伝的シリーズの締めくくりに位置するだけあって、「女が少年…」や「女子高生になれな…」に比べて最近の出来事、つまり男性として生きた時代(その最後部分が本書第0章)よりも、女性として生きるようになってからの話が主体。 それだけに葛藤の重心として、見た目の性別と身体や戸籍の性別とのズレに起因する社会制度や社会通念との摩擦の描写にページが割かれている。 その中には、既存の性別システムに埋まらずに生きていくための役立つ知識、使える裏ワザもあり、マニュアル本的な有用さも備えている一方、筆者の自己実現へ向かう前向きなスタンスからは、読む者が自己肯定のとっかかりを得たりすることもできる、いわゆる元気をもらえる系の本でもある(なにより筆者の他の著作同様、ユーモアをちりばめた筆致は、読んでいて"オモシロイ")。 ただ最近の出来事だけに、登場人物のプライバシーなどとのかねあいだろうか、若干歯切れが悪い部分もある。ことに第0章の内容は、むしろ過日出版された小説『M教師学園』のほうが、ある意味では真実に近いのではないだろうか?? ともあれ、筆者の著作をその「完成度」という観点で見たときには、この本がイチバンと言ってもよいと思う。