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2008年3月末に米国で、博士が取材された番組を見ていた時、刺激的な質問の連発を丁々発止とさばきながら、「この本はいつか死ぬ人すべてにとって必読の書」と答えていらっしゃいました。あまりにも直截的なタイトルに気後れしていたのですが、読んでみないことにはと購入し、しかし開いて読み出すにもさらに相当な時間を要しました。 この本のレビューがなかなか出てこないのも、同様の理由があるかもしれません。「死後の世界と魂の奇跡」というサブタイトルは心霊書のよう。数多のチョプラ博士支持者もさすがに、博士がついに日本のスピリチュアルカウンセラーと同様に、と思われたでしょうか。もともと博士の著書は難解なものが多く見受けられますが、発売から数ヶ月経ても出版元の解説も読者レビューも全く出ないのは初めてでしょう。 しかし、読み始めると止まりません。「渾身」でなく「入魂」と言いたいぐらいです。この本はいつか伝説になります。いつも話題になる翻訳は、初版で誤字脱字がめだつ箇所はありますが、全般に素晴らしいできばえです。まえがき、あとがき、よくある訳者の解説などがなく、本編だけで完結しているのも潔くて良いです。 ご存知のように、博士は80年代に内分泌学で功績を挙げた後、西洋医学と東洋医学の融合をはかり、当初はアーユルヴェーダ医学を基に健康、抗加齢をテーマにした著作を出していました。米国のスピリチュアルリーダーとして90年代以降多く執筆された幸福術、運命開拓論も、基本はその流れですが、本書は、博士のこれまでの著作と持論を総括するにふさわしい壮大なスケールで生死の普遍的な領域に踏み込み、見事なまで真理の深層をついています。 各章冒頭に、インド故事から出典された物語に添って、論点が展開されます。こういう構成は、普通はどこかで破綻しますが、どの章においても博士の理論は高度な完成度で披露されています。レジェンダリーなエピローグで、読者にやや暗喩的に慈愛に満ちた読後感を与えてもいます。さわやかな弁舌を聞き終え、しばし忘我の境地に至るような感覚でした。 読みながら知らず知らず魂の自然治癒が起こるのか、無意識に、本と生命の波動が重なっていくようです。気がつくと、本の周りに人体の周囲にあると言われるエーテル体があるような感触がしました。不思議なエネルギーと温かさを持つ本です。近いうちに原書でも読んでみます。 わたしが生まれて、光を見たとき この世のなかのよそものではなくなった 形のない、謎めき、言葉もないものが わたしの母の姿になってあらわれた わたしが死ぬときも、同じ未知のものが まるでわたしを前から知っていたように、再び現れてくるだろう わたしはこの人生を愛しているゆえに、死をもまた愛するようになるだろう 永遠の子宮をさまよっていた魂は、やがて戻る合図である穏やかな息吹を感じます。再び人生を与えられることになっても、そうしないことを選べた瞬間がほんの少しあり、永遠の平和をえることが可能でした。そのとき初めて、魂は自由を感じ、そして地上におりていきます。新しい目的に気づきながら、勇気を持って新しい人生に戻っていくのです。