まじめだからこそ面白い
基本的には、家族の日常を川柳につづったもの。
ただ、その家族全員が『超能力』を持っているという設定。『と学会本』で激賞されていたので、一度読みたいと思っていたものの、
一般書店では販売されないものだったので、半ばあきらめていた。
ところが、先日、ふら~っと近くの書店に行くとあるではないか!
「うお!なんであるん?」と思い、立ち読みし始めたのだが、
読み進むうちに大声を出して笑いそうになったので、買ってきました。
こんなことは「VOW第1巻」以来です。
著者は、まじめに詠んでいるので、気持ちが伝わってくる。
だからこそ面白いものに仕上がっている。
これが、もしウケねらいや、パロディなんかであれば
ここまでハマることはなかったはず。
分かる人分からない人に割れるんだろうなあ…。
簡単に全員にオススメですと言いにくいのが心苦しい…。
「念力」のこもった本
この本の1刷目は実は別の出版社から発売されている。しかも、書店では買えない本だった。出版社に申し込み、郵便口座に振込みをすると郵送で届くというスタイルの、同人誌だか、自費出版のような本だったのだ。けど、帯には蜷川幸雄が推薦文を書いているは、本の装丁はやたらと格好良い。このアンバランスさも次のような話を聞くと納得できる。
なんと、この本を作る為には3年もの時間がをかけられたのだ。そうして、この本を世の中に出すために会社まで作ってしまった。この歌に込められた「念力」が1人の編集者を動かし、一つの本を生んだ。この「念力」は次々に人を感染していった。この本面白れぇよってな書評があちこちの雑誌で書かれた。本屋で手に入らない本が書評されるなんてのは前代未聞だろう。それを読んだ本好き達がその出版社に本の注文のメールを出しまくる。そうして、ようやく1刷目は売り切れた。このうねりがまた別の出版社を動かし、こうやって本屋で買える本になったのだ。
作る為に作られた本が多い中で、こんなにも人の思いにまみれた本はそうはないだろう。この「念力」に今すぐ触れるべし。