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村上春樹にご用心

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村上春樹にご用心の商品レビュー

5.0 村上春樹を一度も読んだことのない30代男の感想
はっきりいって面白すぎます。ラジオで興味をもち読ませていただきましたが、
村上春樹がこんなに面白い作家だったとはまったく知りませんでした。
内田先生の大ファンですが、この本のおかげで読んでもいない村上春樹さんの本の内容を知り、なぜか元気がでて、仕事にもやる気がでてきました。
あまりレビューになっていないかもしれませんが、仕事にちょっと疲れている人にいいかもしれません。(自分のことかもしれませんが...)
1.0 四方田犬彦批判は噴飯モノ
 例えば松浦が村上における「地方性の欠如」を指弾すれば、内田はこれを世界性と言い換える(p171)。蓮實が村上を「結婚詐欺」呼ばわりしたのは、村上が「同世代的記憶を確認するふりをすることで模造記憶を共有」して「共同体構築」を試み(p89)、「読者におのれが『独自な存在、選ばれた存在』であると確認(錯覚)させる」(p145)からに違いないが、内田はこれを賞賛の言葉として書き連ねている。
 「村上春樹は翻訳されることをほとんど最初から勘定に入れて書いているから、日本語の文章と訳文のあいだに温度差がない」(p75)が故に、水村美苗は「日本語で書かれる必然性の欠如」を難じたのだろうが、内田はこれを「世界性の指標」と受け止める。
 村上が誰かから批判されると、その批判された点を肯定的に言い換えるというくり返しからなる本書は、批評よりはパフォーマンスに近い。
 もう1点。内田は「無国籍性と世界性」(p71〜)の中で四方田犬彦の発言を強く批判しているが、明らかに発言趣旨の誤解か、もしくは悪意にもとづく。四方田は、「村上にはアラビア語訳やウルドゥー語訳が存在しないから『所詮ローカル』であり、『世界的に読まれている』とは言えない」などと主張しているのではなく、内田の称揚する「世界性」なる概念自体の政治性を問おうとしているのだ。この論点を受け止めていないというだけでも、本書の批評性の欠如の証しとなる。
4.0 村上文学には父が出てこないんですよ
本書は、「村上春樹がノーベル文学賞を受賞していたら新聞に掲載されるはずだった文章」とあとがき以外、
すべて内田さんの人気ブログ「内田樹の研究室」の文章の採録なので、日々内田さんのブログを閲覧している
人には取り立てて新しい発見はないと思います。

むしろ、この本は既存の内田ファンではなく、「内田樹を読んだことがない村上春樹ファン」の人に読んで
みてもらいたいです。
今までの村上春樹評論とはまた異なった解釈がなされています。

この本で秀逸なのは「村上文学の世界性について」の章。
村上作品には「父」が登場しないんです。
知ってました?
その「父」とは、一家の大黒柱と呼ばれたり、思春期の娘に疎まれたりする、要するに「親父」のことではありません。
親父が出てこない小説にも「父」は現前します。普通はね。

しかし、村上春樹の小説にはその「父」が登場しない。
内田先生は、そこに村上作品が世界的なポピュラリティーを獲得した理由を求めます。

「何?その『父』って」と気になってくるでしょ?
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4.0 (私にとっては)斬新な村上春樹論
ブログに書かれた文章を一冊にしたものだということで
一読すると、とりとめの無い印象。
とはいえ、あまり正当な(失礼!)論評では見られない
(私にとっては)斬新な村上春樹論は極めて興味深かった。

批評が、その本を手に取らせるものであるとしたら
十分に成功しているであろう。
5.0 内田的日本文学論
内田さんの村上さんへの強烈ラブレターである。
出だしが幻には終わったがノーベル文学賞を受賞した暁に出るはずの新聞社への原稿。
自分自身、村上さんの本は書棚にあるが果たして読んだのか読んでないのか記憶が無い。でもこの本は村上本を読んで無くても日本の文学界や日本の文壇と呼ばれる業界が垣間見える。日本で評価されないが世界で評価される村上文学の理由である。翻訳家でもある(最近は養老さんにべた褒めされる内田さんでもあるが)内田さんが、これでもかと言う位に村上文学を咀嚼翻訳しているのである。例えばこんな文章であろう。
世の中には「誰かがやらなくてはならないのら、私がやる」というふうに考える人と、「誰かがやらなくてはならないんだから、誰かがやるだろう」というふうに考える人の二種類がいる。 村上春樹は前者なんだと言う。それが「雪かきをする人」なのだ。この文章は内田さんのブログ2005 12.27で読める。その他、倍音からの村上春樹論も凄い。ちなみに内田さんのブログを真剣に読んでいれば本書は読まなくても理解できるのであろう。その辺はご自身も指摘しているところである。

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