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働かざるもの、飢えるべからず。

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働かざるもの、飢えるべからず。の商品レビュー

3.0 将来性が無い議論
相続を廃止し、それを原資として最低所得を全国民に与える事により、消費を喚起して
経済を活性化させる。

要は「働かなくても」生活できる社会が生まれてしまう。結局それをやると、経済活動を
する人間が徐々に減り始め、経済のパイが少しづつ小さくなり、日本は破たんするであろう。

それでなくても自民・民主を問わずに(借金漬けなのに)甘い汁を吸わせる政策を連発する
から、国民の視線が数年前と比べ、甘ったれたものになってきている。

著者の言う「痛くない社会」は今は通用するかも知れないけど、百年後の日本人からすれば
「悪魔の書」でしょう。

考えさせられた事は考えさせられましたし、著者が無責任な議論をしている訳でもないのは
分かります。が、私とは意見が違います。
4.0 タイトルからして・・・・
最初からガーンと来ます。
こういう本を読むと、
楽しくやろうぜ、小さくまとまんなよ。
って思えるんですよ。
枠の中でいくら考えても、現在の延長線上には“幸せ”、
“幸せな社会”は作れません。
このあたりで、何か捨てませんか。
・人間は、何も作っていない
・貧富二極化は還流不全の不幸
・努力教と自己責任教
・作り出そうとする人の足を引っ張らない社会に
・デフォルトYESのものは好きに任せる
・社会全体の成功衝突断面積をあげよう!
・自然死のオプションも選択できるように
・安心して死ねる社会へ
・谷をくぐるのが嫌だとトップに行けない
・お金が「価値」に変わる瞬間
・生命の残酷を超える
・仏教と大乗仏教
などなど、後々読み返すための目印に。

3.0 残念ながら、私は説得されませんでした。。
著者については、基本的に勝間和代氏などと同系統の「ライフハック」論者
(ITや金融などを中心に勉強し、ブログで目立ちながら収入も増やし、
この世知辛い時代を賢く生き延びる技術を身につけましょう、的な)
という認識しかなく、これまで著書を手に取るきっかけがなかったのだが、
今回、スマナサーラ師との対談が収録されているということで、ためしに読んでみた。

読んでみてやや意外に感じたのは、かなり最初のほうで「トリクルダウン理論」
(富者がさらに富を蓄積すれば、そのおこぼれが社会に還流し、全体が豊かになる)
が明白に否定されていることだ。この点で著者は勝間氏とは異なると思えるが、
その後に展開される「弾流」社会システムによる貧困対策は、
発想はそれなりにユニークではあるものの、予想される障碍やマイナス面について
徹底的に考え抜かれているとは思えず、少なくとも私は説得されなかった。

著者の議論を簡単にまとめると、現在見られる極端な経済格差の根本的な原因は、
皆が「より良いものをより安く得よう」と欲望することにあり、
結果、それを提供できる少数の人間だけが富を得られる社会構造が生まれるが、
「ケータイが全世界の人間に行き渡る」といった生活水準の飛躍的な向上を考えれば、
この欲望は否定されるべきではなく、むしろ富者に集中し過ぎた富を
社会に還流できるシステムを構築するだけでよい、ということになる。

そのための手段として、ベーシック・インカム制度とともに
相続税の抜本的見直し(社会相続)が挙げられているが、
「生前に使い切れないほどの富は、むしろ社会的な財とみなして還元すべき」
という論旨には賛成できるものの、このような議論は
基本的に性善説に立っているという点において
共産主義などと同様の陥穽を避けられないように思われるし、
根本的な価値観の転換を前提としている割には、
「人間の欲望をどこまで認めるか」という点において、
やや中途半端な部分があるようにも感じられる。
(そのためか、スマナサーラ師との議論もあまり噛み合っていないようだ。)

最後に、本書は書籍としての体裁もやや中途半端だと感じた。
理論的な著作であるにもかかわらず、
上3分の1が丸々空いているという紙面構成や、
やたらと小見出しが多用される叙述の方式は、
アルファブロガーならではのものかもしれないが、
全体になんとなくスカスカした印象を受けてしまうことは否めない。
5.0 平成の坂本竜馬! 本気の小飼弾さん
今この日本に蔓延する、やるせない閉塞感に、本書は正面突破を挑みます。

彼は、平成の坂本竜馬か?

知識と哲学とITに身を包み、彼、小飼弾さんは、
この複雑で不公平な世代間システムの変革へ、
本書で、発想の大転換を宣言する。

熱く厳しく、そして愛にあふれた弾さんに、この本ではじめて気づきました。
本年度にもっとも衝撃を受けた一冊となりました。
4.0 小飼弾の”本気”
著名アルファブロガーである著者が、理想の社会構築に向けた提言を行っている。

著者の他の本は、内容が浅く抽象度も高い。恐らくは、特に考えることもなく書くことができたはずだ。読者にとって得られるものも多くはなかった。
しかし、本書に書かれている内容は、それらの本とは明らかに一線を画す。そこには、体系的にまとめあげられた良質な仮説があり、著者の頭のキレがしっかりと表れていたと思う。

本書での著者の主張は、ベーシックインカム+社会相続というシステムを作る、という事に尽きる。
ベーシックインカムとは、国民全員にそれぞれが最低限の生活を送れるぐらいの所得を配分し続ける、という制度であり、これによって貧困が存在しなくなると著者は言う。
そして、貧困層が無くなることで家計消費が押し上げられ、金の回りがよくなる。
では、その莫大な財源をどのように確保するのか。
その答えが、社会相続というわけだ。
相続を廃止し、すべての遺産を社会に還元する事で、財源を作り出す。

ここまでを聞いて、実行可能性についていくつかの疑問点が生まれるが、それに対しても、著者は丁寧に答えている。

上の主張において、本書では特にデータを押さえているわけではなく、あくまで仮説ではあるが、そこにはかなり大きな納得感があると思う。


本書の欠点は3つほどある。
1つは、著者の唱える社会が、必要最低限の労働力を担保できないという事。
全員が暮らせる程度の収入を与えられるなら、働かない人が多く出るだろう。
やりたい人だけやればいいというスタンスで、社会が機能するほどの労働力が得られるか、そこに著者の考えの甘さがあるように思う。
2つ目は、本書の主張を実行に移す方法については、ほとんど触れられていない事。
これを実行するためには価値観の大幅なパラダイムシフトが必要となるが、それを乗り越える事がいかに難しいかは想像に難くない。
最後の点は、本書後半の対談について、得られるものが少なかった事。
出版社が仏教系という事で差し込んだんだなーという感じが相当出ているこの対談は、別に本書でなくてもよかったのでは?と思わざるを得ない。

総括として星4つだが、一読に値する良書だと思う。

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