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店主が自分の言葉で語る、小さな文具店の物語。 お客さんを大切にする心と、物への愛着が直に伝わってきます。 短いエッセイの集まりで、すぐに読み終えますが、1つ1つの言葉がていねいで共感できます。写真とともに眺めていると、昭和にタイムスリップしたようです。 読み終わったあと、じーんときました。
文房具って自分の気に入ったものをみつけたら、 とてもうれしくありませんか。 なぜなんでしょうか。 本書はボールペンとえんぴつを扱うお店を経営している方の エッセイである。 ここで紹介されているのは、ちょっと珍しく 見ているだけでもあきません。 ただ、最も惹かれるのは、 本当にただの鉛筆とかだったりする。 不思議なものです。
銀座の路地にある小さなボールペンと鉛筆の店「五十音」。その店のオーナー、宇井野さんが語るボールペンとえんぴつのこと。 機能や歴史、効率的な使いこなしのHOW-TOなんかについてはなーんにも書かれていない。かといってブランドがどうのっていう話でもない。 彼女は、ただボールペンや鉛筆が好きのようだ。普通、文房具が好きで、お店を出すくらいなら、もっと色々細かいところに詳しいんじゃないかと思うが、そんなことにはお構いなしの宇井野さんのお話を聞くと、私は記憶の深い部分に沈んでいく感じだ。 文房具は面白い。私のように「道具」としての在り方を考えるものがいれば、「イロモノ」にエンターテイメントを見いだす人もいる。人によってファッションアイテムであったり、自己啓発ツールであったり、楽しみ方の幅がものすごく広いのも、文房具というものの奥の深さだと私は思う。大人になって文房具好きを自称する人を何人も知っているが、私も含むそれらの人の記憶をたどると、どこかにきっと、彼女と同じような経験や感情があったのではないだろうかと思う。 情報過多な流れの中で、抗うでも流されるでもなく、飄々と子供の頃からの「好き」という思いを何でもないように見せてくれる宇井野さんとそのお店「五十音」は、文房具ファンにとってもなんだかほっとする部分だったりするのかもしれません。 あ、そういう訳なので、文具の本だと思って買うとがっかりするかもしれません。ご注意を(笑)