ベテランの開き直りか?爆笑ものまね大会
60年代にスタックス・レーベルのバック・サウンドを支えたミュージシャン達であり、ファンク黎明期の重要グループのひとつでもあるバーケイズが、なりふり構わず金儲け主義に走った70年代後半から80年代の壮絶な記録がここにある。その方法論は、旬のビッグ・グループのサウンドをコピーして取り込んでしまうという、バンドを始めたばかりの素人がやるようなものだった。 まず①からEW&Fの「シャイニング・スター」そのもので衝撃を受ける。モーリス・ホワイトの声までそっくりに再現されている。一声だけバーケイズ自身の「ホーリー・ゴースト」に聞こえるのが愛嬌か。さらにいつの間にか、曲はオハイオ・プレイヤーズになってしまう。②もオハイオの「ファー・イースト・ミシシッピ」だし、③はモーリスの変なところを完全コピーして乱発し、笑いを誘う。これは確信犯だろう。
ほかに彼らのおかしなところは、しばしばものまねをブレンドしてしまうことで、例えば⑥では、途中でライオネル・リッチーがシュガーフットに変身している。さらにこれにモーリスが加わることも多い。一体何を考えているのであろう・・・。
演奏も歌も非常にレベルが高い彼らなのだが、その高い技術を無意味な完全再現に費やしているところは何と言えばいいのか・・・。ほかにはギャップ・バンドやダズ・バンド、もしかするとブラザーズ・ジョンソンなどが確認でき、80年代中盤にはしっかりプリンスも登場する(このプリンスの表面だけを掬ったようなバカな曲は必聴)。そして89年の最後の曲⑯は、もしやあのニュー・ジャック・スイングか?
あまりの自尊心のなさに呆れ返る向きも多いと思うが、これもまたブラック・エンターテイメントのひとつの姿なのだと思う。