豪華メンバーとともに見る新しい回顧主義
ジョアン・ジルベルト1980年の作品。ブラジルに帰国したジョアン・ジルベルトは二人のアーティストに
内々に連絡をとった。そして出来上がったのがこのアルバムであった。
カエターノ・ヴェローゾ、ジルベルト・ジルの二人である。
ポストボサノバブームを引っ張っていったトロピカリスモの主導者
ジルベルト・ジルとカエターノ・ヴェローゾそれに妹のマリア・ベターニア
も加わったなんとも豪華なメンバーで録音された本作品は、
既に過去の音楽となっていたアリ・バホーゾやドリヴァル・カイミ
といった有名作曲家の曲を1980年にどう演奏するかということだった。
全ての曲がジョアン・ジルベルト自身によってプロデュースされ
4人の豪華メンバーの持ち味が遺憾なく発揮されている。
メキシコ放流時代に作成されたアルバムはシンプルな構成で
荒涼とした世界が広がっていた。それはまるでジョアンの寂寞とした
胸のうちを語るような非常にドライなものであったが、
帰国後に作成された本作品は全く違う。オーケストレーションを加え
みずみずしい豊かな音楽世界が繰り広げられる。
以前自分は作成当時はいざ知らず、
ボサノバ以降のブラジル音楽とオーケストレーションは
現代的な観点からは相性が悪いのではないか?と思っていた。
しかし、この新しい見地での回顧的アルバムにおいては
オーケストレーションの素晴らしさがじわじわと感じてくる。
コンボ好きの方にも是非おすすめしたい作品。