初期の名盤
NHK特集「海のシルクロード」、映画「悲情城市」のサウンドトラックを手がけてきた S.E.N.S が満を持して発表した、初のオリジナルアルバムです。これまでの作品と比べると、アコースティックというか、アナログな音をより強く意識したアルバムであり、またこれ以後の作品と比べると、その中にもシンセの広がりのある音を配した、実に S.E.N.S らしい作品だと思います。また、サウンドトラックという、主題のある作品の特定の場面を表現しなければならない、制約のあるものから解き放たれたこの作品は、さまざまテーマの曲を含む「組曲」であり、ゆるやかに流れる時間を表現したようなタイトル曲「1. 月の石と、地球の水」や、幻想的な「3. 月の神殿」、すごく透明な「5. Tears」、どこか懐かしい「7. Love is song」や「10. 川」がある一方、「2. Against the Wind」や「4. Fatalist」のようなロック調の曲や「6. 砂の城」のような異世界的な曲があるなど、非常にヴァリエーションに富んでいます。
アナログ的な音とディジタルな音が融合した音楽は、S.E.N.S の真骨頂。それを聴くことのできるのは、制約のなオリジナルアルバムであるからこそかもしれません。初期の名作であり、すべてのひとにお勧めできる名盤です。