恐るべし10代の時のジャズ・ボーカルです
このCDには、16歳の時に収録しました「上海」と「アゲイン」(1953.6.1)が収められています。音源としてオリジナル・レコードを使用しているため、音は良くありませんが、とても雰囲気がありますね。英語の発音は完璧です。スウィング感もあり、とてもよくノッています。本当に上手ですね。「上海」の途中から日本語に変りますが、そのジャジーな雰囲気は変りません。日本語で歌われている部分も、英語の部分同様ジャズになっているのが驚きです。一番ビックリしたのは、17歳の時に収録した「A列車で行こう」(1955.4.15)でした。もう半世紀前の歌声ですが、全く古さを感じさせません。
前半部分は日本語ですが、よくリズムにのれています。途中からアドリブ風の英語部分からスキャットの歌いまわしをジャズに沢山接してきた方にこそ聴いてほしいと思います。途中のスキャットの巧みさには、脱帽です。「ビックリした」という表現しか思い浮かべることのできないボーカルでした。恐るべし10代のジャズ・ボーカリストです。デューク・エリントンにも是非聴いてほしい演奏でしたね。きっとその歌声に心底驚くと思います。
楽譜も読めない人ですし、英語の授業も満足に受けてられないはずなのに、この素晴らしい歌唱は、「昭和の歌姫」という天賦の才なのでしょうね。耳の良さが格別なのは、よく理解できますが、歌謡曲とジャズという合い入れないジャンルの両方で金字塔を打ちたてたと言えましょう。
演歌の大御所としての地位や、国民的大歌手の称号は当然として、「日本のジャズボーカリスト」としても超一流の歌手でした。
他の収録曲も、どれも雰囲気があって抜群の歌唱力ですね。このCDには、戦後の歌謡史を彩った不世出の大歌手によるジャズの全てが収められています。