これはサントラではない、交響曲だ
作曲者の千住明自身が機動戦士Vガンダム用に書き下ろしたBGMを交響組曲として再編したもの。
物語の最初の舞台ととなったポーランドのクラコフ交響楽団の演奏による一連の曲たちは、奇を衒った前衛音楽などと異なり、ごく自然に聞く人の耳に心に入り込んでくる素晴らしいもものばかりである。
CD付属の解説書にも記載されているが、聞く人の心を逆撫でることなく、恐らくは第二次世界大戦中の東ヨーロッパを思い起こさせる平和な日々と戦争の影を感じさせずにはいられない。そしてそのラストの章では、曇り空から希望の光が差し込んでくるかのような、まるで天使たちが昇天していくかのような美しいメロディで幕を閉じる・・・。このCDが作成された時点ではVol.3のBGM集が発売されておらず、主にVol.1,2のBGMを中心に構成されている。もし、BGM集のVol.3の楽曲が使用されていればまた違ったものになっていたかもしれない。だが、このままでも十分に素晴らしい出来となっている。決してガンダムファンでなくても虜となる一枚である。
鑑賞用にアレンジされた名曲たち
機動戦士Vガンダムで使われたサウンドトラックを、
作曲者である千住明氏自らが、交響組曲として再編したもの。このCDに録音されているのは、東欧ポーランドの、
放送管弦楽団(クラフコ)の演奏によるもので、
ピアノ演奏は、今やアニメ音楽界では絶大な人気を誇る
菅野よう子氏が担当している。
この楽曲が名曲である事は、機動戦士Vガンダムの
サウンドを知る者には、もはや語るべくも無いのですが、
TV版サウンドトラック3編に収録されているものと比べると、
その旋律は幾分か穏やかで、流れるようなイメージは、
耳障りなものとは無縁のシンフォニーを奏でています。
まさしく鑑賞用として聞く分には、上品かつ繊細で、
フル・オーケストラの贅沢な音色を味わえるわけでち?が、
そのぶん、パワーみたいなものは欠けているので、
サウンドトラックと同じようなものを期待する人には、
期待外れに感じるかもしれない事を記しておきます。
同封のブックレットには、逢坂浩司氏による書き下ろし、
富野由悠季、千住明、両氏のコメントも掲載されており、
Vガンダム本編のファン、千住明氏のファンともども、
まず手に入れて損は無いタイトルかと思います。