あのアナは大人になっていた!
秘中の秘の傑作映画です。あのアナ・トレントが大人になり、主演しているという興味で、WOWOWで初めて見たのですが、これが大傑作でした。そして本当に恐い。心ある映画ファンに「とっておきの一品」として薦めたい上級作です。 スナッフフィルムの生々しさもまた絶品。そして主人公アンヘラの周囲にジワジワと迫り来る殺人の予兆。信じるべきもの、頼るべきものをはぎ取られ、アンヘラが無防備・むき出しのままに危険にさらされているのを我々はハラハラして見つめるのです(私自身、彼女の行動1つ1つに「危ないよ、危ないよ!」と完全に感情移入して見ました)。相当こたえる映画です。
そしてやはりこの作品の素晴らしい所は主役のアナ・トレントにあると私は思うのです。少女だった彼女も大人になりました。犯人と思しき男の魅力によろめいたり、酒を一気飲みした後、性交を臭わすシーンがあったり。しかし『ミツバチのささやき』の頃の、全てを見透かすかのような真っ直ぐで無垢な眼差しは健在です。そして彼女はかつて脱走兵と真っ直ぐ無垢に関わったのと同じ様に、底知れぬ事件の闇と殺戮者達に真っ直ぐ無垢に関わっていくのです。これだけの恐ろしい事件に遭遇した後も、彼女の眼差しは変わらず真っ直ぐです。もはやそれは全てを悟った聖者の眼差しと呼んでも良いくらいに。「あの少女アナは成長して、そして変わっていなかったんだ。」作品の完璧さとはまた別個に、私は感動に包まれていたのでした。絶対お薦め間違いなしのDVDです。
〈追伸〉若き天才アメナバール監督の『オープン・ユア・アイズ』が『バニラ・スカイ』としてリメイクされましたが、この傑作ももしや『8㎜』に影響を与えているのでは?
もっと知られても良い秀作
実によく出来たスペイン製スリラー映画です。二点三点するストーリー展開に、主人公の女性とともにギリギリまで追いつめられる思いを味わいながら見ることが出来ました。心拍数がかなり上がりますよ。脚本が良く出来ているんでしょうね。 取り上げられている事件はかなり残虐なもののはずなのですが、それを詳しく映像化することをあえて避けているので、スプラッター映画とはなっていません。ですから女性でも安心して十分楽しめると思います。