穏やかな死
俺的評価70点(100点満点)死に神が人間に興味を持って美しい娘に恋をするという、どう考えても2時間も必要のない内容で、出てくる登場人物は上流階級の美形キャラ(?)ばかり、という感情移入を拒むような設定なのに、3時間だれることなく鑑賞できるという奇跡的な作品。
開始15分で、主役の一人と思われる青年が、車に吹っ飛ばされて死ぬ(それはもう、漫画のように飛ぶ)という衝撃シーンで目を覚まされてからは一気です。
65年の「それなりの満足な人生」を送ってきたが死期におびえる老人、父の言う「激しく焦がれる恋い」を知らずに今日まで生きてきた娘、死ぬ寸前の老人の言葉に興味を持った死に神、の3人の物語です。
おそらく人間の「生」に興味を持った死に神に「去りがたい…それが生きると言うことだ」と老人は死ぬ前に言い聞かせます。
それは、死ぬときに、「今が人生で一番最高だ」と思えれば幸せだと思う、そういう「去りがたい」人生を送るため、恋をするために人は努力をするのだと言うことを教えてくれます。
というわけで、死に神が人間界にやってくるために青年を殺してその体に乗り移るのですが、初見の際、そのキャラクターがどうにも定まってないことに違和感を覚えました。
何も知らない純真無垢な赤ん坊のようなキャラ、まさに国税局のエージェントのような切れる男のキャラ、残酷な死に神のように無感情なキャラ、とざっと3種類のキャラ(最初の吹っ飛ぶ青年を入れると4種類)を演じ分けるブラッド・ピットはすごいと思いましたが、なぜなのか?
後から考えると、乗り移った青年が税理士か何かで(はっきりと入ってないが、妹との会話の中で資格を取って事務所を開くというのがあるので…弁護士もありか)その知識のみを受け継いで(これならば人間界のことを何も知らないはずの死に神が、突然国税局が云々といいだしたのも納得)、そして元々、死に神の中に人間界に興味を持つような無垢な部分と、残酷な部分が同居していたと言うことでしょうか?
ってことは、ラストで青年に体を返したときにある程度自分の経験したことを記憶として残したと言うことも考えられますね。
(じゃないとあの状況で生き返って、あんなに冷静でいられるわけがない)
それにしてもエンディングの後の物語が気になります。<自分なりのストーリーを考えるのも楽しいが
それはもう、大騒ぎになることは請け合い!
3時間飽きることなく楽しむことができます
ブラッド・ピットは、あまりにルックスが甘いだけに、彼の出る映画は彼の美形ぶりを宣伝しているような感じがして、白ける部分があったが、この映画では作品全体の出来がよく、そんなことはなかった。ストーリーもおもしろいし、コミカルなところもある。人生とは何かというヒューマンな部分にも共感できる。アンソニー・ホプキンスの演技ももちろん卓越している。お金持ち、美男美女を礼賛するハリウッド的価値観に辟易するところもあるが、3時間飽きることなく、楽しむことができました。