Attractive!
出来不出来は激しいものの日本のロボット・アニメ界でリーディング・クリエイターとして活躍して来た富野由悠季さんの一連の作品群の中でも、最も魅力に溢れた作品の一つですね。物語の完成度は『機動戦士ガンダム』に及ぶべくもありませんが、視る者を魅きつける力は勝るとも劣らない。永野護さんのデザインによるキャラクターたちと美しいへヴィ・メタルの躍動が素晴らしい。ダバ、アム、キャオ、レッシー、そしてリリスといったメイン・キャラクターたちはもちろん、ギャブレット・ギャブレーやネイ・モーハンといった脇役たちをしても語られる台詞の数々はいつもながら見事。それは一人一人がそれぞれの人生の主役である事を描き出して鮮やかです。取るに足りない端役である筈のハッシャモッシャや、典型的憎まれ役である筈のリーリィ・八ッシィまでが時に魅力的でさえある。エピソードの頂点は第40話「フル・フラット」でしょう。次から次へと土井美加さんの絶妙な口調で語られる台詞には思わず息をのみます。そして何と言ってもへヴィ・メタル。特にL・ガイムとオージェの美しさに、それまでになかった新しい波を感じます。若草惠さんの音楽がまた、この世界を描き出す舞台装置として最高の演出効果を発揮しています。
残念なのはキー・キャラクターであるアマンダラ・カマンダラの声が後から変わって仕舞った事で、どんな事情があったか分かりませんがアマンダラの声は最後まで、あのクールな豊田真治さんに演じて欲しかった。とは言うものの、ポスト・ガンダム時代としての80年代を代表する作品である事は確かでしょう。DVDが出て良かった。