アイドルとしては限りなく理想形だった
90年代前半に活躍したグループアイドル、その中で最も頭角を現していたのはCoCoだろう。当初は、おニャン子方式に則りメディアタイアップを巧く利用していたが、後に彼女ら自身で一人歩きし出し、この頃から徐々に「らしさ」が現れてきたように感じる。既に結成から数えて15年余りは経過しているが、不思議なくらいCoCoの楽曲は時代を感じさせない。おそらく90年辺りから美メロという観点で邦楽全体的に革新が停滞しているような気がする。そのため80年代やこの時代のアイドル歌謡を聴いても洗練されたサウンドを体感できるのだ。また他のアイドルと異なる点は、詞において恋愛をテーマにした曲がありながら「夢」「未来」をモチーフとした曲が意外に多い点も注目だろう。女性作家を好んで起用した点も無視できないだろうが、やはり溌剌とした印象があるCoCoならでは上記のテーマもさらっとこなせたのだろう。そしてCoCoには「季節」をテーマに殊に「春夏」を主体とした曲が実に多い。聴けば真っ青な空に綿菓子のような雲まで情景描写できてしまうような原色豊かな雰囲気が味わえるのも嬉しい。特に♪10(92.4オリコン7位)などは、アイドル氷河期でなければ間違いなく名曲として語られるような爽やかな別れの曲である。「virgin snow」やクリスマスアルバムに力を注いだribbonと対照的なのがまた興味深くもある。
氷河期でありながら、チャート10に常に送込み、孤軍奮闘したCoCo。結成から「卒業」そしてNKでの「解散」と完璧なまでにアイドルとしての「儀式」をこなしたという点で、セールス以上の評価を与えるべき理想的アイドルの形だったのかもしれない