シンセの父と時代と
シンセサイザーの父親とも云える、
電子楽器テルミンの開発者レフ・テルミン博士の半生を追った
ドキュメンタリー映画である。モーグ博士やブライアン・ウィルソン、トッド・ラングレン
とインタヴュー・ゲストも豪華。
圧巻は後半、博士本人が出演して、ニューヨークから失踪した後、
旧ソ連邦で諜報活動をしていたことを語るシーン。
科学技術と芸術と体制に翻弄された博士の人生であったが、
ラスト、ソ連邦の崩壊した後のニューヨークで
自分のいたビルを、穏やかにうれしそうに眺める博士の横顔が
とても印象に残る。
映画というより20世紀の記録として
映画としての評価は低いかもしれませんね。エレクトロニクス、電子楽器、共産主義国家、東西冷戦、情報諜報機関……
その中を生きたひとたち。
テルミンを軸に語られる20世紀の歴史そのものであると思いました。
不適切なプロモーションに踊らされてはならない。
劇場公開時には相当話題になった作品で、名前を着たことのある人も多いでしょう。
昔の怪奇洋画や、日本でも「ウルトラQ」などに使われたテルミンという世界初の電子楽器の誕生からこれまでの歩みと、この楽器を発明したロシア人科学者セルゲイヴィッチ・テルミン博士の数奇な半生を追ったドキュメンタリー。 相当のプロモーション活動のおかげで、名画という風評を得た本作ですが、「そんなにいい映画か?」というのが、実際に観た私の感想です。
たかが2時間という限られた枠の中で、前述のテーマ2つというのはちょっと欲張りすぎでしょう。
ともすれば、これらのうちのどちらか1つでも、それを描くのは大変なのに、それが2つともなれば、二兎を追うものなんとやらで、消化不良をおこしてどっちつかずになってしまっています。
この作品を観て絶賛できる人というのは、とても限られた、例えば次のような人たちでしょう。
「ウルトラQ」をみて、あのわおんわおん鳴る音をどうやって作っていたのか、ずっと気になっていた人。
テルミンやテルミン博士のことは知っていたが、その後の博士の消息を知りたい人。
映画を自分で評価できなくて、みんながいいと言っているから、いい映画なんだと思い込んでしまっている人
などなど。
ともあれ、かなり観る人を選ぶ作品であることは確かです。
他のreviewerの方も書かれていますが、DVDを買うならば、その前に一度どこかで試写して、本当に自分にあった作品かを確認した方が安全だと思います。