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サクリファイス [DVD]の解説わずか54歳でこの世を去った鬼才アンドレイ・タルコフスキー監督の遺作。スウェーデンの島を舞台に、大学教授・アレクサンデルの1日を描く。自分の誕生日に松の木を植えた彼は、のどの手術で言葉が話せなくなった息子に、奇跡の伝説を語り聞かせる。やがて平和だった島を襲う、突然のごう音。TVニュースが伝える核戦争勃発。アレクサンデルは平和のために自らの命を神に捧げようと誓う。 サクリファイス [DVD]の商品レビュー 再発を・・・
VHSをもっていますが(←美しいジャケットデザインです)、DVDのジャケットもなかなか素敵ですね…。 繊細な本物の祈り
綺麗で、静かで、祈る思い。 鏡、ノスタルジア、サクリファイス
鏡、ノスタルジア、サクリファイスと続く自伝要素の強い映画です。単に自伝ではないということは鏡とノスタルジアのレビューにも書きましたので、暇があれば見てみてください。枯れた木を地面に植え3年間水をやり続けたら遂に芽が出たという話を使い「毎日同じことを同じ時刻に儀式のように行えば世界は変わる。」という部分も今まで同様、信じること(例えば信仰)というものが世界を変えるという事の比喩ですし、「美術や哲学を極めてより真実に近づく芸術家になり世界を救うという願望」VS「家族への愛、特に子供に対して強い愛情を抱き、それに執着し家族を救うという願望」、も今までと変わりません。「言葉やおしゃべりは無駄だ。」というスタンスも今までと変わりません。しかし、この映画は前の2作とは手法を変え、より写実的になりイマージュの世界が少なくなっててきています。そして、キリスト教の隠喩が多用されています。絵画として出てくる「東方三博士の礼拝」はメシア出現の星を見つけた一行がベツレヘムを目指し、その頃マリアは馬小屋で休んで居たところイエスを産み落とした。という物語を持つ絵画です。それは、この映画の登場人物のマリアとだぶり、主人公のアレキサンドルが後にマリアと世界救済のために愛し合う=たぶんその後身籠る、という事を考えるともの凄い隠喩になります。しかし、「東方三博士の礼拝」はいろいろな画家が描いており、その中でダビンチ作は、暑く塗られた絵の具に隠れた下絵に邪悪なるものを隠しているとも言われていますし、しかも未完なのです!映画の登場人物の郵便屋がダビンチは好きではないと、言っていることを考えると、、、怖いですね。最後のシーンで、アレキサンドルの子供が、枯れた木に水をやりながら「初めは言葉ありき。。。何故なの?パパ。」と空を見上げて新約聖書の冒頭句を呟きますが、これも見ようによっては、天にいる父なる存在に問いかけているようにも見えます。。。そして、「言葉」を否定してきたタルコフスキーの映画のエンディングとしてはもの凄く面白いものですが、、、聖書の言葉ありきの言葉とは、我々の話す喋り言葉ではなく、真理とか存在理由、その然理を指します。それが、彼が前作、前々作から求めていた答えなのでしょう。言葉とは真理でなくてはならないということなのでしょう。。。もう一つ、興味深い話をしますと、ロシアの政治家スターリンは、言葉(この場合我々の喋り言葉のこと)を、どんな少数民族でも自主的に自分が使えるようにしたのです(むろんロシア語は公用語ではありましたが)。それは西欧中心の思想から東欧、アジア、アフリカを解放しようという彼の思想からでした。ですから現在も皆ロシアから独立し、チェチェンを初めいろいろな国が独自の言葉を使ってアイデンティティを守ってます。。。この映画に出てくる西洋の物質文明と日本や東洋の精神文明の対比を考えると、なんだか面白くありませんか???このように、いろいろな背景を内包しています。「鏡」といった自己のマニフェストから、「ノスタルジア」の自己破壊と再生を経て、「サクリファイス」では、一気に彼の考える人類のマニフェストにしたところが、素晴らしいと思います。。。まあ、これはキリスト教やらロシア史などを調べてたどり着いた、僕だけの解釈かもしれません。最後にひとつ、、、3作の中で一番好きなのはそれでも「鏡」です。たぶん芸術というのは、政治や体制などで抑制されればされる程、強くなり、当時の若い彼には抑制をはねのけるパワーが一番あり、映像詩として一番完成されていたと思います。その後、国外に出て、年も重ね、広くになった分、エッジーなものではなくなりましたね。。。。でも傑作ですけど。。。久しぶりに見直してみて、タルコフスキーを観た後は、キューブリックもゴダールもフェリーもルイ・マルも、それほど難解ではないような錯覚を起こします。(笑) サクリファイスという物語
タルコフスキーは私に、静かに世界の終焉を説いた。 もはや現世ではない?
この作品に写る世界は、もはや地球上ではないように思える。アンドレイ・タルコフスキーが作り出した「惑星ソラリス」のあの惑星の中の世界ではないか?映画と言う枠組みを飛び出し、映画と言う生き物がそこに存在している、としか言えない深く、凄まじい傑作だ。もうこれ以上コメント不能だ。 DVDの最新売り上げランキング - トップ10
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