架空のロックバンドが残した名盤
「ねぇ、忘れずに私をつかまえにきてよ…」
"CATCH ME"のこのサビを聴くと、映画の壮絶なラストシーンを想い出して
涙腺がゆるんでしまう。出だしのドラムを聴くだけで背すじがゾクッとする。
それだけこのサントラは映画と一体化していると言っていいのだろう。
絶対映画観てから聴いた方がいいと思います(映画も面白かったし)。ドイツでスマッシュ・ヒットした映画『bandits』は、女囚たちが獄中で
結成したバンド『bandits(悪党)』のメンバー4人が、ひょんなことから
脱獄に成功し、逃走劇と、そしてバンド活動をも繰り広げてゆくという
異色のロード・ムービー。
ドイツという地が舞台だっただけに、冷戦化のベルリンの壁を越え自由を求めて
亡命を試みて、果たせなかった、数百数千の(具体的な数を知らない)魂をも
感じてしまう。そんな気がする。(また、かつてドイツがユダヤから奪った自由と
現在イスラエルがパレスチナから奪っている自由も考えると、皮肉な連鎖すら
感じてしまう。)
余談が過ぎたが、収録曲は、ドイツ映画ながらほとんど英語で歌われている、
ロックナンバー。しかし唯一ドイツ語で歌われている14."WENN ICH EIN
VOGLEIN WAR(小鳥になりたい)"は、たぶん民謡かなにかだと思うんだけど、
学校の音楽の時間に習った曲でした…。確か『夜汽車』という歌だったのだけど、
知ってる人は、ちょっとビビるかもしれません…。
すべての曲が、タフかつキャッチ-で快いです。サントラはたいてい散漫な構成が
多いのですが、これは一つの『架空のロックバンドが残した名盤』として、
しっかりまとまっていると思います。