―純粋すぎた世界一美しく世界一ミステリアスな映像―
ジュリエット;ケイト・ウィンスレット
ポーリーン:メラー・リンスキー実際の親殺しの事件をモチーフにしている作品です。
少し風変わりのポーリーンとイギリスから来た転校生のジュリエットは二人だけの世界を作ってしまった。ポーリーンは自分のことを理解してくれる人はいないと思っていた。もちろん実際に、オペラ神話を愛してクラスの女の子と話を合わせない子は「変わっている」と言われてしまうのが、いつの時代でも現状だろう。その、ポーリーンの退廃的な孤独に飛び込んで来てくれたのがジュリエットだったのだ。二人が友人以上になっていくには時間はかからなかった。深夜までオペラを語り、神妙的な儀式を行う。なぜここまで二人はお互いを愛することが出来たのだろうか?それは二人に共通する所が多かったからだろう。ジュリエットは家族に愛されていなかった。ジュリエット自身は両親を心から愛していたから跳ね除けられた絶望は大きいはず。そして余り余った愛情をポーリーンに与えていくのだ。そんなジュリエットの悲痛な叫びは見ている者の涙を誘います。
そんな二人だからこそ、より深い世界に埋もれて行ったのでしょう。しかし私達が現実の世界から目を反らせないように、彼女たちも幻想的な世界に住みながらも現実社会からの鎖は身体に巻きついていたのだ。だからこそ彼女たちは鎖を断ち切り、しがらみを振り切るために導き出した答えが「親を殺る」だったのだろう。・・・・・・・・・
この話しには後日談があることを知っていますか?
「乙女の祈り」の公開には思わぬ副産物を産んでいる。映画の中で作家に憧れていた実際のジュリエットは現実に作家になっていたのだ。それも、推理小説の大ベストセラーに・・・・
狂った世界を美しく具現化
「ブレインデッド」「指輪物語」で名を馳せるピーター・ジャクソン監督作品。
ニュージーランドの実話事件をもとにつくられたサイコホラー。
ブレインデッドを期待すると肩すかしをくらうが、違う種の狂気がある。
スプラッタなシーンはわずかなのに、にじみ出る狂気は心胆を寒からしめる。
純粋に狂っていく二人の少女は、美しく恐ろしい。特筆すべきは画面クオリティの安定性。日常生活から幻想世界まで、気をそぐシーンがない。静的カメラと動的カメラの混在も実に自然。
おそらくこの映画の評価が、世紀の大作と言える「指輪物語」の監督職へ
ピーター・ジャクソンを引き寄せたのだろう。
ジェラルメ国際ファンタスティック映画祭95年グランプリ
あのカルトなホラー映画を多数世に送り出したことで知られているアボリアッツ国際ファンタスティック映画祭を引き継いだ形の(アボリアッツは93年にフランス国内作品に限定してしまい、事実上終了)ジェラルメ国際ファンタスティック映画祭の第2回(95年)グランプリ受賞作、ニュージーランド映画。女子高生、というにはちょっととうが立ちすぎているケイト・ウィンスレットが気になりますが、女子高生二人のレズっぽい世界を幻想的な心象世界の映像とともにうまく描いています。
実話をもとにしているのは知っていますが、二人の女子高生は二人だけの世界に閉じこもってしまうぐらい現実も美少女だったのかが気になって...。