映画を観ていなくても、原作を読んでいなくても、とてもすばらしい音楽
「戦場のピアニスト」の映画は、機会がなくて観ていない。原作を読んだのも、このCDを買ったかなり後である。だがこのCDは、映画を観ていなくても、原作を読んでいなくても、純粋に音楽として聞いて、とてもすばらしいと思った。私がいちばん気に入ったのは”ノクターン嬰ハ短調”。原作を読んで、シュピルマンが廃墟となったワルシャワで、ホーゼンフェルト大尉の前で演奏したのはこの曲だと知り、なおのこと鮮烈に耳の奥に焼き付いた。
だから、映画ではこれが”バラード第一番ト短調”に変わっている事を、後で知って驚いた。”バラード第一番ト短調”が悪いと言う気はないが、なぜわざわざ変えたのか不思議に思う。シュピルマンがホーゼンフェルトの前でピアノを弾いている場面の映画の写真を見て、私の耳の奥に響く曲はやはり”ノクターン嬰ハ短調”である。
ポーランドといえばキラール
アンジェイ=ワイダ、ポランスキーなどのポーランド出身の映画監督とよく仕事をするヴォイチェフ=キラール。
重厚でクラシックをしっかりと学ばれたことを感じさせる音楽が多く、映画での存在感は見事です。
ショパンのお陰で、ポーランドとピアニストの組合せが良い感じに納まりました。……けれど、このサントラで用いられているスコアは少ないですね。後はショパンがメインです。これは少し物足りないですね。
もちろんノクターンは名曲ですし、最後のシュピルマン本人のマズルカも重みがあり深みを感じさせますけれど、価格が高いと少しいただけないかな……とも思います。
評価は星3つですけれど、演奏や楽曲自体への不満はありません。少し物足りなかっただけです。
ただ、このサントラでショパンに触れた人たちが増えたのなら、それはそれでよいのではとも思います。
ポーランドの生んだ芸術家の魂を味わってください。