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生きる [DVD]

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生きる [DVD]の解説

   無気力な日々を過ごしてきた公務員の渡辺(志村喬)は、ガンで後半年の命と知らされ、恐れおののき、嘆き悲しんだ末、市役所に懇願する人々の願にこたえて公園を作ろうと努力していく…。
   黒澤明監督が、人間の尊厳を高らかにうたい上げたヒューマン・ドラマの傑作。そこにはどんな者であれ、人はここまで高められるのだという希望と同時に、ルーティンワークに甘んじる体制社会、およびそこに安住する人々への痛烈な批判も込められている。黒澤映画のいぶし銀、志村喬の代表作。自由奔放にふるまう部下のとよ(小田切みき)との交流の数々もせつなく印象的だ。後半、いきなり主人公の葬式シーンへと飛躍し、周囲の者が彼について回想し始めていくという構成も、実に大胆かつ秀逸。最期に主人公が公園で歌う流行歌『ゴンドラの歌』は、本作の功績によって今ではスタンダードな名曲として讃えられている。(的田也寸志)

生きる [DVD]の商品レビュー

2.0 言われてる程は
えらい高評価なので期待してみました。結果は期待外れ。非常に地味な作品です。もうちょっと自分の心理に影響があるんじゃないかと期待してた分、地味でインスパイアされる要素がほとんどなくがっかりです。
地味ですがこの方が結構現実味があるのかな。後半の下りにはがっかりしました。
死を目の前にした人間の変貌ぶりを表現した映画ですが、後半の覚醒した部分が短すぎます。ちょくちょく回想しますが、正直あれだけで後半の崇拝ぶりは無理があるんじゃないでしょうか…。
5.0 人間が死ぬまでに何を成すべきか

人は何のために生まれてきて、そして死ぬまでに何を成すべきなのか、ということを考えさせられた作品だ。

主人公は30年間無欠勤を続けていた市役所の市民課長で、毎日ただその日を何事もなく過ごすことだけを目標のように生きている。そんな彼が胃がんで余命半年程度と自覚した時からこの映画はスタートする。

この主人公を演じる志村喬の演技がすばらしい。不治の病と知って打ちのめされる表情、同居する息子夫婦にがんであることを打ち明けようとしてそれができないやるせない表情、市役所を無断欠勤して若い女性にすがりつく情けない表情、そして最後に死ぬまでになすべきことを見つけてそれに取り組む決意に満ちた表情などを見事に演じ分け、まさに迫真の演技だ。

自分も含めて健康な人間は自分が半年後に死ぬなどと想定することは滅多になく、それが故に忙しい毎日を生きるのが精一杯な人が多いと思うが、生まれたからには死ぬまでに何か足跡を残したい、そんな気持ちになる作品だ。
4.0 答えのない問題。
自分の余命があといくばくもないと知った時、
主人公の心の“明かり”であった、子の心は、
もはや手の届かない場所にあった。
「自分の人生とはなんだったのか」そう自問した時、
主人公は公園を造る、人のために生きるという“明かり”を見つけた。
その計画に奔走し、ついに死の間際には、公園が完成する。

妻を早くに亡くし、子を明かりとして生きても、
子の心はいずれ親元を離れる。子には子の人生がある。
ただ、今、心は近くになくとも、子に捧げた人生であったとても、
それはそれで良かったのではないだろうか。
ただ、ジタバタしたくなるのが人間ではあるが。

最期に主人公は自らが実現した公園のブランコに乗り、生涯の幕を閉じる。
残された者は、主人公の最期は素晴らしかった。
と褒め称えたが、果たして心の中はどうだったろうか。
確かに最期はブランコに乗りながら笑みを浮かべていた。
ただその笑みは満足感から湧き上がる笑みというよりも、
人生の諦め、悟りから生まれた笑みのように見えた。
5.0 その無力さ
はじめて黒澤映画をみた。
正直驚いた。
名作は時代を問わず名作なんだということに。

死を悟ったとき、遊び回りたくなる気持ち、そして無意味さに気付き、なにか大きな事業を成功させたいという気持ち、よくわかる。

そしてその努力にみんなが少しずつ付いてきてくれる。
最後は事業は完成する。

しかし、現実はそうそう甘くない。
折角主人公が苦労して完成させたプロジェクトも結局は偉い人の手柄になってしまう。
その場では主人公の行動力に感銘を受けて見習おうと言い出した人たちも、日常に戻ってみれば一個人の力では結局今まで通り無気力な人間に戻ってしまう。

志村喬さんの演技もすばらしい。
カットが一々美しい。
後世に伝えたいすばらしい映画だ。
5.0 命短し 恋せよ乙女
 この、黒澤明の現代劇として最も有名な作品のメッセージは、とてもシンプルかつ重厚なものです。「人は死に直面した時、初めて生きることを始める」。
 改めて見直してみると、冒頭のショット群が素晴らしく、それだけで何もかも語っているというのに、どうしてああも説明過多なナレーションが入っているのか、とか、志村喬や若い娘役の女優の演技はオーバー過ぎて、若干引いてしまう場面があるとか、色々首を傾げたくなるシーンが散見されるわけですが、一方で構成を意識して見ると発見が多くて、さすが黒澤!とひれ伏します。

 『生きる』は物語の流れが意識的に分断されます。前半は主人公が迫り来る死に直面し、これまでの無意味な人生を悔やみ、残りわずかな命を燃やそうと決意するまで。主人公が死の宣告を受けて、とり憑かれたかのように息子との思い出を顧みる場面では、ベルイマンの『野いちご』のように見事なフラッシュバックが挟まれています。これが現在の主人公の悲惨さをくっきりと際立たせ、まるで人生とはまず自分のためにあるものだと語りかけているようです。

 てっきり後半は主人公の「生きる」過程を描くのかと思いきや、唐突に主人公は死んでいて、通夜の席で部下や同僚が主人公の行動を回顧しています。つまり、直線的構成に忠実に「感動」を求める観客にとっては、途中で物語が途切れてしまうために不満が生じます。
 ですが、黒澤はそういうリスクがあるのを承知で、この構成に決めたのだと思います。後半の主人公は、他者による曖昧で、断片的な記憶の中でのみ「生きて」います。あの通夜の席は、各々が持ち寄った記憶の集積を一つずつ議論し、一人の人間を外堀からじっくり埋めているような作業なんです。 

 だから人間は面白い、そう言いたかったんじゃないでしょうか。他者の視線で人は「生きる」......前半の西洋的とも言える自己との対話と比べたら、後半は実に日本的な自己の見つめ方です。

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