君こそ誰なんだよ
町田康原作の映画、「けものがれ俺らの猿と」で唯一素晴らしかったシーンで流れていた。鳥肌実扮する(てかそのまんま鳥肌実なんだけど)僻地に独居するキ印、田島が車をすっとばしながら、バナナをもぐもぐしながら、カーステから流れる③「君はだれなんだ」を口ずさんでいる。歌えてないんだけどね。「だ~あぁ~」って。いやどうも、何度見ても失笑するこのシーン。
その田島が登場する別のシーンでも途切れがちに聞こえてくる「君はだれなんだ」。ぬるぬるしたホーンの音、ぎゅんぎゅんのギター、やっけにトレモロきかせた声。そしてマイケル(なんのことかわからない人はCD聴いて納得してください)。原作に比しても、全体的には映画、すかすかだったけど音楽の趣味はよかった。
で、満を持して購入した「溶け出したガラス箱」。アルバムを貫く高いとも低いともつかないテンション。哲学的な歌詞。ジャンルわけを拒むメロディー。
70年に発表されたとは到底信じられない程のぎりぎりの空気。といっても世紀末感ってのじゃなく、あくまでも個人の精神のぎりぎり感。彼岸を徘徊する心持ち。歌詞カードだけを見てもその清潔感漂う気持ち悪さに度肝を抜かれます。ひとつ挙げれば、
「マイケルと云うのは君の事?そこに立っているからマイケルなのか?」そ、そったらことを私に問わないでくれ。ああぁあって叫び出したくなる、名作、マスターピース!