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ブルックナー:交響曲第4番

ブルックナー:交響曲第4番

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ブルックナー:交響曲第4番の曲目リスト

  1. 交響曲第4番変ホ長調《ロマンティック》

ブルックナー:交響曲第4番の商品レビュー

5.0 まさにロマンティック
ウィーンフィルのしなやかな弦と、決してヒステリックにはならない管楽器、
ロマンティックの決定盤です。
5.0 悠久の時の流れを感じさせる歴史的名演
 ブルックナー交響曲第4番は作曲者自身によって"Romantische"と名づけられ、親しみやすい旋律と明解な形式で親しまれている。それゆえ、幾多の名演奏が録音として残されているが、この曲の真髄を過不足なく伝え、深い感動を与えてくれるのはこのべームとウィーンフィルによる演奏だろう。冒頭のホルンの朗々たる響きから他の演奏とは全く異なる。自然にこの曲の世界に聴く側が入る事ができ、澄み切った青空の如く晴朗な響きを湛えている。ブルックナーがこの交響曲になぜ標題を与えたかははっきり分からないが、彼の故郷の自然を想いこの名を付けたのかも知れない。それならばこの曲から彼の自然観が読み取れるとも言えよう。時に鳥のさえずりや幽愁に包まれたドイツの森、狩の情景といった絵画的風景もこの曲を聴いていると度々感じられる。日本人も古来から自然と正面に向き合い、相克と調和を繰り返してきた。その日本人にはこの曲の情趣がなおさら深く心に染み入ってくるだろう。
 べームの統率の下ウィーンフィルは何ら作為なく、自然にかつ厳格に音楽を紡いでいく。スケールの大きさ、響きの美しさといった純粋に音楽的美しさはもちろんの事だが、幽玄で神秘の世界に我々を誘い、悠久の時の流れの無常さえ聴き手に迫ってくる。とりわけ第二楽章の深き幽玄の世界はとても素晴らしい。そして、第四楽章はこの曲が単なる「ロマンティック」な曲ではない事が分かる楽章だが、べームはそれをはっきりと示してくれている。全体のどこを取っても無駄な音がない。また、奇抜な所もない。これにはただただ驚嘆するのみである。聴き終えた後の充実感は比類なく、しばらく何も言えなくなるほど感銘を受ける演奏である。自然と人間の悠久の時の流れさえ感じさせる歴史的名演と言えるだろう。
5.0 銘器ウィーン・フィルで紡ぎ出す、この曲の正統的解釈によるスタンダード的名盤
ブルックナーの代表的交響曲といえば、今でこそ、第7番以降の3曲が定番となっているのだが、一頃は、ブルックナーの交響曲といえば、この第4番「ロマンティック」だった。

この第4番は、マーラーでいえば第1番「巨人」と同じで、やや、内面的な深みには欠ける曲なのだが、その分、取っ付き易く、特に、ブルックナー初心者には、打って付けの名曲といえるだろう。かくいう私も、ブルックナー初体験はこの第4番であり、私の場合は、この曲を契機に、以後、悠久の時を刻むような、長大で独特な雰囲気を持ったブルックナーの交響曲の世界に、どっぷりと浸ってしまっている。 

さて、そんな第4番は、いずれも銘器ウィーン・フィルを指揮した、アバド盤、ベーム盤、ハイティンク盤が、評論家の高い評価を受けている(「21世紀の名曲名盤」(2004年音楽之友社)の第2位〜第4位。ちなみに、第1位はヴァント指揮ベルリン・フィル盤)。

アバド盤は、終始、弱音部の繊細な美しさを追求した演奏であり、第4楽章はまずまずとしても、全体的に、壮大なスケール感には欠けている。これを「ブルックナー演奏の新時代の到来を告げる画期的な名演奏」というのならそうかもしれないが、このスタイルで68分を通されると、私は退屈を感じてしまう。ハイティンク盤は、アバド盤よりはスケール感があるが、基本的な方向性はアバド盤と同じであり、こうした類いの演奏は、第4番のスタンダードとしては、なかなかお勧めしにくい。 

ベーム盤は、第1楽章の出だしから、一聴して、前2者との違いがはっきりとわかる演奏だ。ベーム盤は、どっしりと腰がすわった重量感と、壮大なスケール感があり、まさに、「これぞブルックナー!」と、安心して身を委ねることのできる、昔ながらの正統的なブルックナー解釈による名演奏なのだ。やはり、お勧めするなら、このベーム盤や、朝比奈指揮大阪フィル盤ということになるだろう。 

4.0 強固な意志に貫かれた名演
 ベームの4番は、その求心力ある演奏によって、この曲のスタンダード盤とでもいって良いものです。テンポのコントロールが一定でどっしりとした安定感がある演奏です。
 ベームはその著『回想のロンド』になかで、「ブルックナーのように孤独で独特な存在に対して、オーケストラ全体が目標を決めていることこそ決定的なことなのだ。もしも壇上のわれわれみなが納得してさえいれば、われわれは聴衆をも納得させずにはおかない」旨を語り、特にウイーン・フィルとの関係では、この点を強調しています。
 ブルックナーにおいて3番、7番、8番とも、ウイーン・フィルとのコンビではこうした強固な意志を感じさせます。同国オーストリア人の気概をもっての魂魄の名演と言えるでしょう。 
5.0 ズシリとくる重厚な表現
 ベームの指揮は何となく無骨でそっけなく感じられ、たとえばモーツァルトの交響曲では評価が高いわりにはどうも好きにはなれないのですが、ここに聞かれるブルックナーは非常に重厚な音作りをしています。まるで一つ一つの音を大切にしたような、ゆったりとした演奏で聞き手にぐいぐいと迫ってくるような感覚があり、ウィーンフィルの演奏(特に管楽器)も特筆すべきものがあります。ちなみに、このアルバムはLP発売時に‘74年度レコードアカデミー大賞を取っているのですが、その価値は十分あると思います。
 とりわけ、第3、4楽章のスケールが大きく緊張感のある表現が印象的であり、力強い盛り上がりを見せるとともに、第2楽章では、詩情豊かにオケを鳴らし、ロマンチックでコクのある表現を見せます。これらにより、ブルックナー特有の渋さが表現されるとともに、その故郷オーストリアの自然や古い街・城などを連想させるような気がします。
 実はカラヤン/BPO盤でのスピーディーな演奏と華やかな音色も好きで、第1楽章だけ聴いていれば、むしろこちらを推薦したいくらいなのですが、全曲を聴き通すと果たしてカラヤンの明るい音色が正しい解釈なのか、いささか疑問も出てくるわけで、長い目で見ればベームの渋い音色でズシリとくるこちらの演奏を選びたくなります。

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