ラストシーン(ネタバレ)
映画と原作のラストシーンは、実は大幅に違っている。原作では主人公(語り手)は精神病院に入ってしまうラストなのだが、映画の方では、崩れゆく巨大なインテリジェンスビル群(なにを象徴しているか? そんなものは自明だ!)をマーラとともに眺めながら、「これからはすべてうまくいく」と語り手がつぶやくのだ。
このラストシーンには、解釈がふたつあるだろう。それはずばり、彼らの足下に爆弾が仕掛けられているかどうかだ。この点については、フィンチャーは(意図的かどうかはわからないが)、明確に作中で語ってはいない。
仕掛けられていないのだったら、語り手の言葉はある程度額面どおりに受け取れるだろう。だが問題なのは後者、彼らの立っているビルがあと数秒後に崩壊するとしたら、彼の言葉はどういう意味を持つだろう? あと数秒後には二人まとめて木っ端みじんに吹き飛ぶというのに、「これからはすべてうまくいく」と愛した人間に言うことができる語り手は、我々の理解の埒外にある。
そして、最後の最後にとどめを刺すのが、観客をあざ笑うかのように挿入される巨大男性器だ。それは高層ビルのあった場所に高々とそそり立っている。
この一連の(アホみたいな)ラストシーンをどう解釈するかは、すべて見た人間次第だ。だが私は、このラストシーンも含めて、この映画は90年代に作られた映画の中でも最高傑作の一つであると思っている。
ただのハリウッド作品じゃない
キャスト、映像、トリック、テーマ、どれをとっても一級品。この映画は当時、アメリカの映画評論家から反社会的で残虐と酷評されることも多かったという。それもそのはず、現代社会が抱える様々な欠陥を痛烈に批判し、それをテロというカタチで突き進むタイラー率いるモンキー達がクールな映像と音楽でハイスピードに描かれていくからだ。
ただし暴力やテロの側面だけで見るのは愚か過ぎる。物質文明に対するタイラーの考え方やシンプルな殴り合いによるエクスタシーは人類の進むべきひとつの道として原点回帰の思想を示唆している。
さらにクールとは程遠い感情、愛情によって救われていくという展開はジャックのみならずこの映画全体を救っている。
大好きです!
暴力映画ではありません。
これ、実は一つの作品としてすごくできの良い映画だと思います。ストーリーもとても奥深いですし、台詞回しも絶妙。撮り方やまとめ方もとても面白い(Dフィンチャーはやっぱり優れた監督ですね)。
そしてとどめは、素晴らしき2人の主演俳優!
この2人、一方は圧倒的なスター性、一方は圧倒的な演技力とタイプはまったく違いますが、現在のハリウッド役者の中では最高の存在に挙げてよいと思います。
おのおの最も得意とする役だということもあり、その力を如何なく発揮。演技を超えた、素晴らしい「役回り」を魅せています。
これだけそろえば面白くないはずはない。最高-!!