キング・クリムゾンが目指していたもの
Island、そして悪名高いEarthboundツアーの後に一旦解散したキング・クリムゾン。それと前後してEnoやkeith Tippetなどと仕事をしていたFrippですが、新たなバンドを結成することを決心したのです。その時、このアルバムに参加しているジェイミー・ミューアと共に、デレク・ベイリー、イヴァン・パーカーの参加も構想の内に入っていたらしいのです。結果的にジェイミー・ミューアのみが新生キング・クリムゾンに参加し、そこでマジックを起こして傑作を作り上げるわけですが、この経緯を見ると、Frippがこのアルバムを手に入れて聴いていたこと、そしてそれに非常にインスピレーションを喚起されたことは十分予想できます。 そんなわけで、70年代初頭版キング・クリムゾンの求めていたインプロヴィゼーションの目的がこのアルバムに込められていると言って良いです。そんな意味で、キング・クリムゾンファンにも非常に重要な一枚であると言えると思います。
キング・クリムゾンファンの感想
ジェイミー・ミューア(perc)、デレク・ベイリー(g)、エヴァン・パーカー(soprano sax)、
ヒュー・デイヴィス(live electronics)、クリスティン・ジェフリー(voice/2曲のみに参加)
による70年録音。
ECMならではのマスターテープ管理の良さと24bit/96khzデジタルリマスタリングのおかけで
時代を考慮すれば優秀な音質です。また、紙ジャケのつくりも良いです。データ的なことは以上で済ませ、キング・クリムゾンを通じて本作を知った者の1人として、
クリムゾンファン向けのコメントを書くことにします。
クリムゾンファンのうち、
1.ジェイミー・ミューアの演奏が大好きだ
2.一番好きなオリジナルアルバムは「太陽と戦慄」だ
3.歴代クリムゾンの中でも「太陽と戦慄」から「レッド」までのキング・クリムゾンが好きだ
4.「ザ・グレイト・ディシーヴァー」を聞きまくったことがある
5.ザ・コレクターズ・キング・クリムゾンち?70年代の音源が含まれていればつい買ってしまう
以上の5点のうち、3点以上に当てはまる方は、あの頃のクリムゾンのインプロが好きで
たまらないはず。
本作には、至るところに”あの”インプロヴィゼーションの断片が散りばめられています。
ミューアの個性はすでに完成されており、キング・クリムゾンでの演奏と全く同じように叩き
まくっています。
ただ、最初っから最後まで潔癖なインプロであり、歌心は皆無、メロディも無きに等しいです。
しかもデレク・ベイリーはリフを弾かず、キコキコと点画的フレーズを放ち続けます。
この辺りがネックになりますので、全てのクリムゾンファンにお勧め、とは言えませんが、
買おうか迷っているなら買った方が良いと思います。
買わないと迷わず決めら!れるのなら、スルーした方が良いでしょう。