1000回達成のお化け番組の原点!!!
水戸黄門に関しては今更私などが説明する必要もないだろう。
天神髭の水戸光圀がお供の助三郎、格之進を引き連れ、諸国漫遊の旅に出る、痛快な1時間枠時代劇である。
今回、新しいシリーズ中で千回の放送回数となる為、その原点となった第一部シリーズがDVD化となった。第一部シリーズといえば東野英治郎の光圀、杉良太郎の助さん、横内正の格さんである。なお、後年レギュラー入りするうっかり八兵衛、かげろうお銀などは存在せず、まだ若いいなせな義賊、故中谷一郎の風車の弥七のみが一行を影から見守っている。しかも弥七とて、最初は敵か味方か、微妙な距離を置いているポジショニングで後年のファミリー化した一行に馴染んだ視聴者には新鮮かも知れない。
そして、水戸黄門の最大の見せ場である印籠の出番も、第一部後半あたりでやっと出てくるという具合。まだ、フォーマットの決まり切っていない荒削りな面も見られてファンには面白い。
ただ、初期黄門が粗雑な番組であったかといえば、そうではない。むしろ、後年1000回にも及ぶ放送の真髄はほとんど第一部で構築されたといってもいい。偽黄門、じゃじゃ馬姫、お家乗っ取り、孝行息子・・・こういったシチュエーションは第一部のバリエーションなのである。
素晴らしい脚本、すぐれた俳優、リアルな描写が相互に作用して、もはや伝説といっても差し支えは無い、掛け替えのない珠玉の時代劇、それが水戸黄門第一部であろう。
肝心の内容はカラーなのがうれしいもののマスターテープ自体が古いため、若干映像の乱れ、音声の乱れはある。しかし、時代を考えれば妥当なレベルであり、上々の程度を保ってると思う。
しかし、東野黄門の自然に備わった威厳とその優しさは水戸黄門シリーズでもやはり別格の存在だなぁ・・と思う。そして脇を固める杉良太郎の、若々しくユーモラスなキャラクターは、落ち着いた里見助さんにはない絶妙な「味」がある。横内格さんは実直で生真面目、きりっとした立ち居振る舞い、そのきれいな目は劇中のキャラクターを100%表現している。その他清楚な深雪、敵側の間者と連んではいるが根っから悪い人間ではないお蝶など、後々のシリーズでもレギュラーになることもある印象深いキャラクターの雛形が登場。うーん、やはり原点中の原点でうれしくなってしまう。
このころは毎回毎回のゲストも豪華だが、本当に豪華すぎていちいち挙げていくのはきりがないので割愛する。是非、本編で確認していただきたいと思う。
時代劇ファン、水戸黄門ファンに関わらず、老若男女誰もが安心して見れて、勧善懲悪で溜飲を下げることの出来る作品です。

TV時代劇の黄金時代
TV時代劇が、「時代劇」としてちゃんと成立していた頃。その全盛の姿を知らしめるDVDということになるでしょう。
封建的身分制度・武士道の不条理、その枠組みの中で精一杯に自分らしく生き切ろうとする人物たち。
厳しさと哀切さが胸に迫る時代劇らしい時代劇がTVで見られた時代の作品です。正義一徹の信念の中に懐の深い人間への理解・愛情を秘めたご老公、がさつスレスレの率直さが清々しい助さん、謹厳実直ゆえに思い詰めた苦しみを抱いてしまう格さん。
キャラクターの描き分けも見事で、それぞれに共感と納得をもってドラマに入り込んでいけると思います。
ベタベタとした馴れ合いめいた展開はなく、あっけなく感じる向きもあるかもしれませんが、時代劇ファンには、最高のXマスプレゼントとなるDVDでしょう。