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泣きゲーの名作。本作のシナリオは短い。それでもプレイ後の充実感は言葉に し尽くせない。いずれのシナリオも心の琴線に触れる秀逸なもので、静かな 感動が包んでくれます。是非プレイをお勧めします。 この物語の軸は、遥彼方という少年の生き様。それは余命幾許もない彼が、 絶望的な孤独と引き換えにしてでも守りたかった大切な人々への想い。 不器用に生きる彼の姿が、彼が愛する周囲の人々に『何か』を残していく。 メインヒロインは吸血鬼クリス。永遠を生きる彼女は、死を控えた彼方と対極 の存在でありながら、故に『孤独』という同じ苦悩を持つ。クリス自身のシナ リオだけでなく、他のヒロインにおいても、クリスは彼方の苦しみを真に分かち 合えるからこそ、包み、励まし、特に叱ってくれる。この二人の過ごす数日間を 通して、我々は大切なことに気づくのだ。人と触れ合う温もり、幸せの意味、 生きるということ・・・ 本シナリオの妙は、決して雄弁に過ぎないこと。プレイヤーのイマジネーション の余地を十二分に残すことによって、逆に物語に一層の深みを与えている。彼方 は間違いなく次の春に桜を見ることはない。だが各ヒロインのエンディングは クリスマス前後のエピソードで終わる。テキストもそうだ。 ヒロインの台詞『・・・(聞き取れない)』に対し彼方『ああ、僕もそうだよ』等。 だからプレイヤーはその後の彼方とヒロインの日々に想いを馳せ、切なくも美しい 余韻に包まれるし、語られない台詞からは魂の響きを確かに感じ、我知らず涙する のだろう。
シナリオ、絵、音楽共に非常にやわらかく気持ちよくプレイできる。ストーリーは長すぎず、しかし内容は詰まっていて理想的なゲームだと思います。OPとEDも秀逸。