脚本が少々甘い?
記憶を失った男が...というあらすじにかなり魅せられたのですが、見終わってみると、脚本の甘さが感じられました。 法廷のシーンは確かにぐっと来るものがありますが、結局アメリカの建国の精神と言論の自由を讃える内容であり、あの場面をクライマックスにもってくることで、主人公のピーターをめぐるそれまでの話の内容がぼけてしまっているような気がします。 そもそも、完全に失われていた記憶が、あんなに簡単に戻るものなのでしょうか。 しかも、どのくらい記憶が戻ったのか、そこら辺の描写が非常に曖昧というか、ある意味手が抜かれていると思います。
逆に言えば、もし、ピーターの演説を浮き立たせるのなら、赤狩りの追及をもっと細かに描き、当時のアメリカで共産党員とみなされることの重大さに焦点を当てるべきだと思うし、逆にローソンの町の人とピーターとの交流を映画の中心に据えるのなら、記憶回復の過程にもっと焦点を当てるべきだと思います。 2時間半強の長い映画で、ここら辺の統一がされてないのは残念です。
個人的には、前半部分で登場するサルのぬいぐるみが、ピーターとルークをめぐる人間模様の交差を握る鍵となってたりすると、もっと面白くなったかなあと思ったりするのですが...