ドキュメンタリーに思えてくる
映画「古井戸」(原題・老井)の舞台は、太行山脈のなかにある山西省左権県ですが、私たちはそこから300㎞ほど北の山西省大同市で、この12年間、緑化協力をつづけてきています。同じ太行山中の村がいくつも含まれています。バックに展開する風景、エキストラの人たちの顔つきや表情がそっくりなので、「あっ、あのオバチャンだ」などといいながら、DVDをみました。 私たちの村でも、映画と同じように、水不足に困っています。とくに最近、井戸や湧き水が涸れる村が多いのです。ロバの引く馬車にドラム缶を積んで、5㎞も離れた村まで毎日、水を買いに通います。あまりに気の毒ですし、このままでは村の存亡にかかわりますから、2つの村で井戸を掘るのに協力しました。どちらも水がでましたが、深さは176mと182mでした。人力ではムリで、機械式のボーリングです。
そんなわけで、この「古井戸」は、私にとっては記録映画のように思えてくるのです。それも何十年も前のことではなく、いま現在の実話です。同じように水に苦しむ農山村がたくさんあるのです。
そして、この太行山は、北京、天津をはじめとする大都市と、華北の穀倉地帯の水源なのです。水源で水が涸れるとき、これらの地方はいったいどうなるのでしょうか?
いまは中国を代表する監督となったチャン・イーモウ(張芸謀)が主演と撮影を務めています。