巨大な娯楽をつくった男
なつかしいなつかしい盛り場風景が最初からでてくる。
「天井桟敷の人々」、「道」を連想したり、もっと昔の「恋におちたシェイクスピア」の時代まで連想したら大衆娯楽の通(つう)である。
民衆のもとめていた娯楽とはいかがなものか。そこで飯を食う人たち。積み重ねてきた伝統芸。大衆が望んでいた娯楽をつくりだす天才たち。芸人という。芸人たちはどう生きていたのか。
大衆の望む娯楽をヨーロッパからアメリカに移動させ思いっきり飛躍させ面白くさせたのが巨星ジーグフェルドである。
かれの偉人伝である。当然幕切れは彼の死でおわる。死に方も今風の病院ではなくゆったりと豪邸のソファーで死ぬ。人は死ぬのだ。
とにかく、楽しい映画。越路吹雪の「百万本のバラをあなたに」を口ずさみたくなる。
天才男は大衆娯楽への新しい活路を切り開いた。
破産しても大きな仕事をした男は偉大である。
そう、男復活という時代錯誤はなはだしい想いをうかべる人もいるだろう。
立派すぎる男に乾杯!!
1936年のアメリカ映画。
豪華絢爛
ブロードウェイの大興行主、フローレンツ・ジーグフェルド・ジュニアの生涯を描いた1936年MGM作品。出演は、ウイリアム・パウエル、マーナ・ロイ、ルイゼ・ライナー、フランク・モーガンなど。MGMは後に、ショーガールに焦点を当てたフィクション「美人劇場」(1941)、彼に捧げられたレヴュウ映画「ジーグフェルド・フォーリーズ」(1946)も製作している。アカデミー作品賞受賞作品。「Ziegfeld Follies」など数々のショーを手がけた伝説的興行主の一生を実話に基づき(適度に美化・取捨選択して)脚色した、当時としては異例の3時間に及ぶ超大作ドラマ。女性に目がなく賭博好きで金銭感覚は乏しいものの、ショービジネスに関しては優れた手腕を発揮したジーグフェルドの功績、そして妻となる2人の女性とのロマンスを、華やかなレヴュウ場面を織り交ぜて描き、見所満載の豪華絢爛たる作品に仕上げている。ジーグフェルド役のウイリアム・パウエルは、コミカルな二枚目という彼の得意とする役どころであり申し分ない。だがより強く印象に残るのは先妻アンナ・ヘルド役のルイゼ・ライナーで、出番は少ないものの、その繊細な演技によって(電話のシーンも功を奏し)アカデミー主演女優賞を受賞した。本作品の大きな見せ場であるレヴュウ場面に関しては、デコレーションケーキのような巨大な螺旋状のセットに200人近い出演者が登場する「A Pretty Girl Is Like a Melody」が圧巻。その他、ライナー本人が歌う「Won't You Come and Play with Me?」や、動くベッドの上で女性ダンサーたちが踊る「You」も楽しいナンバー。