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スウィート ヒアアフター デラックス版の商品レビュー 笛吹き
人間の心に巣窟する悪、ずるさを上手く表現している。 人間の複雑さ
DVD化を待ち望んでいた作品の1つです。97年に製作された、新進気鋭の映画作家アトム・エゴヤンによるカナダ映画です。当時のカンヌ映画祭でグランプリを受賞しただけあって、全体を通して非常に丁寧に作られています。そして鑑賞後に強い余韻の残る映画です。 町のことは町の人間が決めていく。それが掟。
1997年カナダ。娘が非行に走って親子断絶している初老期の弁護士。田舎町のスクールバスが、冬、池にはまって22人の子どもたちが死んだ。奇跡的に救済された運転手。歌手を夢見ていた少女、彼女は車いす。 人間にとって幸福とは?を考えさせられる悲劇。
悲劇は起きる。いつ、どこで、誰にかはわからないが。映画タイトルは原題のままだが、「幸せな未来、来世」。それにしては、この映画はあまりにも重く、暗い。アメリカ北東部と思われる農業地帯の小さな街でその悲劇は起きた。冬の日の静かな朝、いつも通りスクールバスが子供たちをピックアップしながら湖畔沿いに走っていたが、突然、バスは車道を外れ、斜面をスリップ、氷結した湖面に。あっという間にバスは湖底に。運転手、15~6歳の少女を除いて死亡という大惨事。この話は実話らしい。なぜ、こんな事故が起きたのか。小さな街は悲しみに沈んでいる。そんな街にある日初老の弁護士(イアン・フラム)が訪れる。アメリカで大勢いる成功報酬型の民事専門の弁護士。これはと狙いをつけた被害者の両親をたくみに説得し、バス会社を相手取った訴訟をすすめ、担当弁護士の契約をとる。弁護士が日本の何十倍もいる「過剰なる訴訟社会」アメリカでは日常茶飯事のことなのだろう。この弁護士にとって、この悲劇は運転手のミスによる事故であってはならない。あくまで、バスを製造したメーカーのミスでなくてはならない。そうでなければ金にならないからだ。予審が行われるが、生き残った少女の意外な証言で裁判はあっという間に終わる。なぜ少女は嘘の証言をしたのか。彼女はそうすることで自分の人間としての尊厳を守り、小さな街のコミュニティを守りたかったのだろう。私にはそう思えた。善意の仮面をかぶった悪魔のような気味の悪い顔をして街に登場した初老の弁護士も悪党でない。自分も妻と別れ、一人娘は10年以上前に家出、麻薬に溺れ、あげくはHIVの陽性に。いつもコレクトコールで電話をかけてきて金をせびる。絶望的な気持ちで、娘の要求に応える弁護士。生きるとは、幸福とは、静かに深く考えさせられる映画です。全編を流れる音楽が美しい。 雪のある風景
この映画の多くのシーンは雪のある風景の中で進んで行きます。子供達が遊んでいる場面、スクールバスの事故の場面、弁護士が村にやってくる場面。雪はとても冷たく寒いけれどいつかは溶ける。そんな雪のように、生き残ってしまった村の人々が哀しいけれど暖かく淡々と生活を進めて行くさまがとても心に残りました。 DVDの最新売り上げランキング - トップ10
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