『バニラ・スカイ』を観る前に。
この映画をまだ観ていないという方がいましたら、ぜひエドゥアルド・リノエガ主演の『オープン・ユア・アイズ』という映画を先に観ることをお勧めします。知っている人も多くいると思いますが、『バニラ・スカイ』はこの作品のリメイクだからです。『オープン・ユア・アイズ』は一流のサスペンス・ホラーとも言えるほどよくできており、とても怖く悲しい物語なのですが、『バニラ・スカイ』はテイストのまったく違う作品になっています。あまりホラー的要素は強くなく、物やお金、女性に何不自由しない主人公に「あなたにとって幸せとは何か?」という疑問が投げかけられるところに力点が置かれています。また、軽快な音楽を用いて主人公の心を表現するという手法をとっているのも大きな特徴です。
ただ、これまでのトム・クルーズの作品にもしばしば見られるように、主人公(=トム本人)のイメージダウンがないような配慮がかなり多くほどこされています。その結果、主人公にあまり悲壮感が漂っていないのが残念です。このあたりは評価の分かれるところでしょう。
私は、この作品は、秀逸な出来のオリジナル版と見比べるだけでも、相当楽しめるのではと思っています。『バニラ・スカイ』はトム以外にキャメロン・ディアスとカート・ラッセルが出ており、さらに『オープン・ユア・アイズ』と同じ名前・同じ配役でペネロペ・クルスが出ています。この豪華なキャスティングだけでも、一度観てみる価値は十分にあるでしょう。