捻くれピアノマンの底力
4年ぶりとなったベン・フォールズのソロ・セカンドアルバムでは、
主にアコースティックなピアノマンとしての側面がフィーチャーされています。
BF5セカンド~サードで残した課題も練り直されて、
クドさの抜けた尻上がりタイプな楽曲群は、聴いていて飽きが来ません。
進化したベンの底力が一曲一曲にみなぎった良作になっています。お約束系のLANDED/YOU TO THANK等はもちろん、以前なら今一つサマにならなかった
JESUSLAND/TIMEといった系統の曲もシェイプアップされ、
じっくり聴ける仕上がりなのが嬉しいです。(バンドスタイルで作った成果かも)
地味に驚いたのがSENTIMENTAL GUYのサビ。かつてないピアノの自然体っぷりや
語りっぷりがベンのピアノマンとしての新境地をうかがわせます。
前作を凌ぐ深い魅力
やや煮詰まりを感じさせたベン・フォールズ・ファイヴの解散を経て聖作した前作「ロッキン・ザ・サバーブズ」は極めて爽快で、かつソロとして一人多重録音なども駆使した手作り感がひときわ魅力的だった。以降、4年間の充実した活動を経て登場した本作、日本版初回盤のみシックなスリップケース入りで登場。
驚いたが、また元のギターレス・3ピース(ピアノ、ドラム、ベース)によるバンドによる録音形態になっている。が、音楽的に懐古したというよりは、サウンドに生き生きとした生命力を宿らせようとした感が強い。
楽曲も、ハチャメチャにロックするような雰囲気ではなく、詩にもメロディにも深みと個性が溢れていて、バンド時代、そして前作を経て、それを更に熟成させたかのような印象があえる。
やはりエリオット・スミスに捧げた「レイト」、愛嬢に捧げた「グレイス」あたりは涙腺さえ刺激してくる。こんなにヒューマンな感動と興奮を味あわせてくれる作品は昨今無かった。傑作だと思う。