サントラを超えたサントラ
ベルリンフィル。
普段なら「クラシックって興味ないし」とか言っちゃって、
なかなか触れられない。
そんなオーケストラですが、
この1枚はすごいです。映画音楽って個々のシーンに合うように作曲されているのは
当然なのですが、
先に映画を見て、「うまい!」「面白い」と思った
それらの曲を改めて聴くと、
ちゃんとシーンの一つ一つが思いだされてくるのです。
傑作。
映像から切り離しても聴ける!
ディープ・ブルーは映画というかドキュメンタリーです。
海で暮らす動物達に焦点を当てて、その生き様を描いた映像作品です。
実は僕はまだ映像を見ていませんが、このディスクだけは興味をそそられたので買ってみました。
このディスクでそそられたのは作曲家のフェントンではなく、その楽曲を演奏しているベルリン・フィルにあったわけです。
「ベルリン・フィルが映画音楽をやる?!」という事だけでも話題は持っていかれます。今までに無かったことですから・・・。
大抵の映画音楽の収録は下記のような団体が主流です。
・臨時に集められたミュージシャン達(特に名前はない)
・ハリウッド・スタジオ交響楽団、シンフォニア・オブ・ロンドン(映画音楽専門のオケ)
・ロンドン交響楽団(スター・ウォーズなどのJ.ウィリアムズ作品がほぼ)、モスクワ交響楽団(B級映画に多し)、フィラデルフィア管&シカゴ響(ファンタジア)などのプロ・オーケストラも使う。
上にも書いてあるようにプロ・オーケストラでもロンドン響等は良く使われます。が、ベルリン・フィルの音は映画音楽をやっても音の分厚さは全く変わらないのです。
2003年、日本で最も売れたサントラとして「パイレーツ・オブ・カリビアン」がありますが、あれはハリウッド・スタジオ交響楽団のメンバーによる演奏です。もしあれをベルリン・フィルが録音していたら、もはや芸術作品になっていたかもしれませんね。 さてディープ・ブルー自体はというと・・・、確かに聴けば映画音楽っぽいですが、普通に聞いていれば現代の音楽家が作ったクラシック音楽としても取れます。交響組曲「ディープ・ブルー」として聴けば別に映像を鑑賞していなくとも十分に楽しめるアルバムだと僕は思います。
映画音楽ファンならずとも、クラシック音楽ファンの方々にもオススメできます。
映画音楽かどうかはさておき……
えぇ……予告編の秀逸さが見事な「ディープブルー」。スコアもすばらしいレベルで、鯱のアザラシキャッチや鯨の急速浮上、カツオドリのダイブ等々優れたスピード感を表しているだけでなく、ユーモアに溢れた楽曲も幾つかあり高水準の楽曲集だと思います。
この手の映画の音楽ではリュック=ベッソンの「アトランティス」が先行していますが、それとは少し趣が違い(演出も違いますし当然ですけれど)重厚さを目指して作られている気もします。
最近、良質のドキュメンタリー映画が増えてきて、その多くがレベルも高いので音楽のウェイトも高くなってきていますね。
その意味でベルリン・フィルというラベルは効果的ではないのでしょうか。
レベルの高さの中にもう少し性格づけがなされていれば、なお良かった気もします。