心のハッピーエンド
ネイティブアメリカンと白人、父と娘、母と娘、祖父と孫娘、それぞれの人間関係を柱に、人買いインディアンに誘拐された娘奪還が描かれている。舞台は未開の地1885年コロラド。
20 年もの間家族を捨てネイティブインディアンと共に暮らし生きてきた父(トミー)の考え方はすでに白人の考え方ではなかった。それを含めて父を許せないマ ギー(ケイト)の考え方が、父の有言実行の姿に次第に心が穏やかになっていく様は、観る者の心をも解きほぐす。トミーの顔には、年相応とはいえ深いしわが 刻まれており、20年の生き方を彷彿とさせる上でプラス要因となっていたと思う。髪振り乱して戦うケイト・ブランシェトの姿は母の強さを強く印象付け た。
「ネイティブアメリカンと白人」とくれば、ネイティブアメリカンの血を引くバル・キルマーは、特に彼にこだわるような役柄ではなかったにもかかわら ず、やはりという感じで出演していた。結末事態は決してハッピーエンドではなかったが、マギー母娘にとっては「心のハッピーエンド」だったような気がした。「血」の絆は強かった。
古きよき最新西部劇
往年の西部劇映画を彷彿とさせ、完成度も映画作りのお手本のような作品。
脚本、演出、映像、演技、全てに蓄積された技術の裏打ちが有る。
ただ正攻法な分、最近のイケイケ映画と比べるとちょっと地味。現代の人情劇を撮り続けた監督が時代劇を描くという点では
山田洋二監督における『たそがれ清兵衛』の位置。