今更ですが・・淡々としているのに熱を感じる青春映画の佳作だと思います。
実在の白人ラップ歌手エミネムの自伝的映画なのだけど・・・ラップの世界では黒人が圧倒的優位をしめていて「白人がラップ?はい?」と、いう感じなんだそうだ。主人公のエミネムは、デトロイトの南側の住人。貧しいトレーラー暮らしの白人家庭。黒人の仲間達とラップバトルに出るんだけどもうコテンパンに言われ、やられます。ラップって頭使う即妙の知恵とリズム感が無いとダメだと初めて知った・・・罵詈雑言差別用語の連発だけど45秒ぐらいの短い時間で一対一で決着をつけるわけです、観客にうけた方が勝ち。メイキングも見たけど、黒人女性ラッパーも何人か出てました。でも緊張したのかどうか必ず言葉に詰まって言い返せなくなっちゃう。難しいんだなあ・・・。予選のバトルなんて15秒で戦う言葉と音の応酬ですよ、かなりの語彙と当意即妙の知恵が無いとムリ。
この監督さんお気に入りなんだと思うけど、愛情深いんだけどちょっとダメなお母さんキム・ベイシンガーがいい味だしてます。息子も愛してるけど、それだけじゃ生きていけないのね・・・何かそういうの分かるなあ、と女性なら思うんじゃないでしょうか。エミネム、妹には優しい事、優しい事。子守唄を口ずさむ所なんて聞き惚れてしまう。この妹がまた可愛い。暴力だとかドラッグだとか暗部が平然と日常の出来事のように描かれているので返ってリアリティあります。平然、淡々としてて大仰じゃないです。アメリカンドリーム、サクセスストーリーに飽きてしまった人には心地よく感じる。
最後のラップバトルはもうクギ付け。ここまで見て来ると罵詈雑言にもすっかり慣れて返って耳に心地良いのが不思議。意外と地味な題材なのに全く飽きさせないのは110分という最近の映画にしては短い事だけが理由じゃないと思います。私のようにエミネム知らなくても、ラップ知らなくても十分楽しめる良い作品です。メイキングのラップバトルは必見の面白さです。
内に潜む魂の形
エミネム初主演映画ということで私も映画館でこれを初めて見ました。
冒頭のMOBB DEEPの曲が聴こえ、
それに合わせて鏡を見ながら自分のステージのイメージを作る姿は
本当にカッコ良かったです。淡々とした雰囲気の中で流れていくストーリーは
映画の世界というよりは日常的な出来事のようでした。
そしてシリアスな映画だという先入観があったせいか、
実際はコメディー色も多くあり、(日本人には解りにくいものもあるけど)
アメリカ独特のジョークも面白かったです。
けれど一番の見所はやっぱり最後のラップバトルでしょう。
エミネム演じるラビットのラップに賛同する観客の反応が凄く良かったです。
逆人種差別克服物語
いろいろな見方があるのでしょうが、逆人種差別克服物語として見ました。つまり、白人であるが故に、ラップの世界では劣等感を感じる主人公が、実は黒人以上に劣悪な生活をしており、白人以上に恵まれたエリート黒人を打ち負かすというストーリーだと思います。悲惨な環境でも懸命に生き抜こうというエミネムの姿勢には、何か感じるところがあります。恋人役のBrittany Murphyも魅力的です。