悪の狂気と善の狂気
いきなり殺人事件から入る冒頭で、多くの観客は見入ることとなっただろう。奇抜なアングルのショットが多用され、不気味さが強調されたし興味も増した。顔のアップやフラッシュバックがチカチカする中、スジが良く解らないまま中盤まで引っ張られた。
やがて「サスペクト・ゼロ理論」が登場。元FBIベン・キングズレーのバックグラウンドが明かされる。アーロン・エッカートも特異な能力の持ち主として登場している。これで全筋書きは明かされたようなものだった。
事件解決に「遠隔透視」を使ってしまうとなんでもアリになってしまって面白さが半減。私は「遠隔透視」の類を使ったサスペンスを好まない。遠隔透視、サスペクト・ゼロ、イカロス計画など話のネタとしては決して悪くなかったのに、インパクトの小さい作品で終わってしまった。アーロン・エッカートならではの存在感皆無、キャリー=アン・モスの存在価値皆無。この2人は別な誰かでもちっともかまわないキャラクターだった。
ベン・キングズレーの苦悩には感情移入可能。その意味でこの作品の重みが増した。ベン・キングズレーの桁外れの演技がこの作品を救っている。
敵か?味方か?
不可解な三件の殺人事件。
その死体には、あるマークが残されていた。
そしてFBI捜査官マッケルウェイに送られてくる膨大な量のFAXとスケッチ。
それを手がかりに、被害者達の恐るべき共通点が明らかになっていく。最初は、これはどういう事なんだろうと思うところがあったりしたのですが、
中盤でそうか!と分かり、でもこの人は何者で何をしたいのか?・・・・
という風に、結構複雑にストーリーが進んでいきます。
でも面白かったです。
謎解きというか、色々考えながら観るのが好きな方はいいかも、です。
欲をいえば、映画の時間を長くしてでも、もう少し被害者(三件の被害者だけではなく
その裏で起きてる事件)の事を詳しく画いてもいいのでは?と思いました。
その方がもっとストーリーが深く感じられるんじゃないかな、と。
しかしながら、「なるほど」と思うところが随所にあり楽しめました。