初めてNew Orderを聴く方にも、いやむしろ初めて聴く方へ薦めたい
とてもわかりやすい作品になっていると思います。
彼らの1つの特徴でもあったピコピコした電子音は控え目で、割とオーソドックスなロックの形態を取る曲が殆どです。
それとこれまでの作品に一貫して漂っていたどことなく陰鬱な空気感も、この作品には殆ど感じられません。
曲の長さも4~5分台に殆ど収まっていて、聴きやすさをアップさせています。
正直彼らからこれほどまでにスッキリとした作品が出てくるとは思いませんでした。確かに初期の作風から見ると遠い処にあり、大きな魅力の1つであったダンスミュージック的な楽しみ方にも
あまり適していない作品かもしれません。
更に「ポップな中にも暗さを感じさせる」のがNew Orderだというイメージで聴くと、大きく裏切られる様なものだと思います。
しかしこれはこれで、1枚の素晴らしいアルバムとして成立している事実があります。
特に歌メロの出来は前作を遥かに凌ぐようなレベルであり、大いに着目に価するものです。
むしろこれからNew Orderを聴く、という方にとっては、彼らの様々な側面に触れるチャンスが広がるアルバムであると考えれば、
これは入門編として最適なアルバムではないかと思うわけです。
個人的な白眉は⑥です。新たな名曲の仲間入り。
よくここまで来てくれた(涙)
これでNew Orderがイギリスの最重要バンドだと言われる所以が分かってもらえると思う。
"Krafty"(4曲目)では「今度はおれはうまくやる」と自信を持って怒鳴ってくれる。涙なくしては聴けない。今まで、「おれを引きずり落とさないでくれ、おれはまだ終わってないんだから。俺の栄冠を、勝ち取る前に奪わないでくれ」("Turn my way", Get Readyに収録)などと残念さを前面に押し出していたのが、ここでようやく自信を持ち始めたように聞こえる(あるいはやる気になったのか?(笑))。
アルバムタイトルの曲では「いったいおれは何度道を間違えればいいんだ」と言っているが、過去そうであったように、悲惨に間違えてぼろぼろだ、という風には聞こえない。間違えたってかまわない、進んでいくんだ、というように聞こえる。
彼らにならって希望を持ち、前向きに生きたい。