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父と暮せば 通常版 [DVD]の解説名匠・黒木和雄監督が『TOMORROW 明日』『美しい夏・キリシマ』に続く戦争レクイエム三部作完結編として、井上ひさしの同名戯曲を映画化したヒューマンドラマの秀作。取り組んだ原爆投下から3年後の広島、愛する者達を一瞬の閃光で失い、自分が生き残っていることに負い目を感じ続けている美津江(宮沢りえ)の前に、原爆資料を収集している木下(浅野忠信)が現れた。彼に心惹かれながらも恋心を押さえつけようとする美津江を父(原田芳雄)は常に励まし続けるのだが……。 父と暮せば 通常版 [DVD]の商品レビュー 日本人が忘れてはいけない、8月6日、9日を考えさせる映画(1)
広島の悲劇に関しては、「夕凪の街 桜の街」という傑作が昨年劇場で公開され、今年DVDとして発売された。その「夕凪の街」編の主人公皆実がしきりに死んだ人に申し訳ない、自分はこの世にいてはいけない、と痛切な告白をしていたが、本作は原爆の被害者がどうしてそう思い込まなければいけないのかがよくわかる映画だ。なぜ主人公(宮沢りえ)は自分は幸せになってはいけないと考えるのか、1945年8月6日広島で何があったかを、1948年夏というまだ広島が復興からはほど遠い時点で回想シーンを交えながらじっくり描いている。ピカの被害者が自分を責めざるを得ない悲劇が何万とあったことを日本人は忘れてはいけない、というメッセージが強烈に伝わる。原作は井上ひさしの戯曲で、映画もほとんど娘(宮沢りえ)と娘の男性(浅野忠信)を思う気持ちがきっかけで実体化した死んだ父(原田芳雄)の室内での2人芝居に終始するが、長まわしの多用、狭い室内でも絶妙な動きを示すカメラ、そのカメラの枠に人が入ったり出たりする計算された動き等、室内劇の映画化として一級の出来だ。2人の演技の集中力にも驚嘆する。印象的なのは室内のシーンだけではない。中でも、8月6日の広島の空にゆるゆると原爆が落下して、爆発し、強烈な熱線を発射する場面に息をのむ。そして少しだけ顔を出す浅野忠信の存在感。彼の愛を主人公が受け入れようとする(と思わせる)ラストが救いだが、仮に彼らが結ばれたとしても、幸せになれただろうかと思うと、映し出される部屋の天井が原爆ドームになっているラストにやり切れなさを感じる。先週観た「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」と原爆の扱い・重みの何と異なることか。日米の原爆観の違いを改めて痛感したことを付言する。 若い力に託した未来
原作どおりのセリフに、原作どおりのストーリー展開。この作品に故・黒木和雄監督が脚色をくわえたとすれば、ラストシーンのみということになるのだろうか。娘の幸せを見届けた父があの世に帰って行った後、福吉美津江(宮沢りえ)がニンジンをきざむシーンがパンし、原爆ドームの天井を映し出す。まだ瓦礫が散在するドームの庭の片隅に、2輪の白い花が咲いている…。 今だから必要な戦争伝承
黒木和雄監督と言えば、「竜馬暗殺」や「祭りの準備」のリアルな描写が好きだったが、それ以後の作品は今ひとつしっくりこず不発のイメージが強くなり、あまり観なくなっていた。久しぶりに観た彼の作品には彼の底力でみなぎっており、十分堪能できる傑作だった。 生きる者の哀しみ
メディアからのメッセージを受け取るのに、公式は存在しない。どのような設定も理解も許されるのが文学であり、本作品において作者の意図は十分に伝わっている。本来、戯曲として描かれた本作品の映画化は、どうしても表しえぬものを映像化するために、作りに目がいきがちだが、それは枝葉末節である。この作品から本質だけを求めたいのなら二人だけの抽象化された舞台での上演で十分であるが、映像化による美しさも堪能したい。宮沢りえのブラウスの白さが、戦後をよく表現している。PTSDを表現した物語としても評価できよう。最後の天井を写したシーンが心に残る。 父娘の愛情。
宮沢りえと原田芳雄のまるで舞台劇のような二人芝居。 DVDの最新売り上げランキング - トップ10
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