映像的にはかなり頑張っているし、ナイワ・ニムリもお見事。でも脚本はダメ。
予知夢を見ることができる青年アドリアン。南米で民兵に追われる女性アンヘラを夢に見て、彼女を救おうと決意する。しかし、彼女は南米のカルト集団のメンバーとなってスペインに戻っていた…。 予知夢が持つであろう幻想的で重苦しい雰囲気を、凝ったデジタル処理を重ね、青を基調とした映像で見事に醸し出しています。アドリアンが自らの力では変えることがかなわぬ未来図に苦しむ様を追体験できます。
アンヘラ役のナイワ・ニムリはいつもながらの存在感をもっていて、この映画の中でも際立っています。
エンディング・クレジットでは歌まで披露。その透明感と艶(つや)のある声で儚(はかな)い夢の世界の幕を閉じるに相応しい曲をしっとりと歌い上げています。
しかし脚本の出来は水準以下だと感じます。人物や政治経済的な物語の設定は悪くないのですが、エンディングは特に凡庸ですっきりしません。そういえば、アドリアンを演じるレオナルド・スバラグリアが主演する別の映画「10億分の1の男」もエンディングには不満を覚えたのですが、ラストの展開や雰囲気が似ていたように思います。
人生には何も約束されていない。だからこそ生きるに値するのだということを伝えようとしているのでしょうが、脚本にはもう少し書き込みが必要だったと感じます。
ナイワ・ニムリの出演作はどれも秀作ぞろいなので、この作品も大いに期待していたのですが、たまにはこういう出来のものもあるのだなと思った次第です。
なお、ナイワ・ニムリの出演作の中で、お薦めするのは以下の作品です。
「アナとオットー」(ASIN: B00005FVL8)
「ブラインデッド」(ASIN: B00005UX1W)
そして「ルシアとSEX」。