監督、脚本家、プロデューサー、役者の幸運な出会いの末に生まれた不朽の名作に、乾杯!
1954年度アカデミー賞を8部門で受賞した名作「波止場」が、2005年8月31日までの期間限定大幅プライスダウン商品として、再度、発売される。私は、2003年3月発売の通常価格盤を買っているのだが、この期間限定盤にも、音声解説、メイキング・ドキュメンタリー、監督へのインタビューなどの映像・音声特典が全てそのまま付いているそうであり、それでこの価格なら、かなりのお買い得商品といっていいだろう。 この作品は、波止場を題材に映画を作りたいと思っていた監督と、それを題材とする脚本をすでに書いていた脚本家が出会い、意中のプロデューサーに降りられた直後に自ら名乗りを上げてきた「最悪の男」と脚本家との激しいバトルの末に完璧な出来に脚本が練り上げられ、主役の依頼を一旦断り、フランク・シナトラとの契約寸前に心変わりして引き受けたマーロン・ブランドが、その天才振りを発揮して生まれた不朽の名作である。
この作品のあらすじについては、エディターレビューで紹介されし尽くしているので、それ以上、詳述はしないが、全てを見終わった後に、映画評論家と監督の伝記作家による音声解説で改めて全編をなぞってみると、さながら「正しい映画の鑑賞の仕方」をレクチャーされているようで、なかなかに面白い。ちなみに、監督は、この作品と並行する時期に、当時の社会状況下において、主役のテリーと同じ辛い選択を迫られ、その行動を糾弾される立場にあり、その意味で、監督の人生において、最も重要な作品とされているのだそうだ。
また、メイキング・ドキュメンタリーでは、NHKでも放送されている「アクターズ・スタジオ・インタビュー」の司会でお馴染みのジェームズ・リプトンらが、監督が「2人の役者に任せただけ」という中で生まれた4分間の「演技史上最も有名なシーン」について、19分間にわたって緻密な分析を繰り広げており、これも、なかなかの見物だ。