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チョット見では「吸血鬼」の話?すぐに違うと判る。「絶頂に達したときに相手をかみ殺す」の男と女の話。そして更に、実は異なる2つの話が絡まっていることが途中から判明する。 一つは「コレの話」。コレ(ベアトリス・ダル)はその病的行動のために、医師の夫によって監禁状態に在ったが近所の若者が不信に思い助けてくれる。そして悲劇が起こる。 もう一つは「シェーンの話」。新婚旅行でパリを訪れたシェーン(ヴィンセント・ギャロ)とジューン(トリシア・ヴェッセイ)のセックスシーンでは、優しく愛撫しあう2人のアップ。露骨な映像になってはいない。絶頂直前、彼女の体から離れるヴィンセント。愛するが故に彼女を最後まで満足させられない男の苦悩を熱演。まさに「愛するが故の残酷さ」がそこにあった。 その唐突な設定、そして血の滴る映像に始めは身を引いてしまうものの、台詞が非常に少ないにも関わらず「哀しく狂おしい愛」の姿がふつふつと伝わってくる摩訶不思議な世界の愛の物語。
クレール・ドゥニ監督、ヴィンセント・ギャロ、ベアトリス・ダル。豪華キャストで送る吸血鬼の物語。社会では受け入れられない、抑え切れない本能を抱え苦悩する男と女。異邦人としての性癖を持ちながら心は優しき人間であるため、解けないパズルにもがき苦しむしかない。見ていて、岩明均の大傑作「寄生獣」を思い出した。あちらも、人間とは別の本能を抱える生物の物語である。もっとも、彼らは目指したものは人間との「共存」であり、立脚点はまるで違うのだが。ヴェンダース「ベルリン天使の詩」の主人公は人間世界に降りることで欲望を充足したが、この物語の主人公達がそれとは逆の行動を取れれば(別世界で生きることができれば)救われただろう。それが不可能なところに根本的に悲劇がある。今作でもコンビを組んだアニエス・ゴダールの映像がすばらしい。
社会では受け入れられない、抑え切れない本能を抱え苦悩する男と女。異邦人としての性癖を持ちながら心は優しき人間であるため、解けないパズルにもがき苦しむしかない。
見ていて、岩明均の大傑作「寄生獣」を思い出した。あちらも、人間とは別の本能を抱える生物の物語である。もっとも、彼らは目指したものは人間との「共存」であり、立脚点はまるで違うのだが。
ヴェンダース「ベルリン天使の詩」の主人公は人間世界に降りることで欲望を充足したが、この物語の主人公達がそれとは逆の行動を取れれば(別世界で生きることができれば)救われただろう。
それが不可能なところに根本的に悲劇がある。
今作でもコンビを組んだアニエス・ゴダールの映像がすばらしい。