相変わらずエッチなシーンが多いジュネならではの作品
原作のあるストーリーですが、ジュネの独特な個性が際立っています。
最初は戦時下の泥臭いラブストーリーと思いきやそうではなかった。ジ
ュネがそんなストレートな作品を作るわけはなかった。だから、ジュネ
の映画を見た事がない人は思っていた映画とは違い期待外れとなる可能
性があるので、できれば「アメリ」から見てください。必ず気に入るは
ずです。リアリティあふれる戦場でのシーンや全体の色彩が当時の雰囲気を見事
に表現しています。第1次世界大戦前後の当時のフランスを描いたこの
映像を見て私は「カリオストロの城」を想起しました。みなさんんはど
うでしょうか?
ジュネの映画は相変わらずSEXシーンが盛りだくさんですが、ジュネ
の描くSEXシーンは目を覆うほどいやらしくなく、かと言って美しく
もなく、人間の欲望の象徴として滑稽に描かれています。
少し難点なのは、なじみのないフランス人の特に中年の俳優のほとんど
がギョロ目でひげを生やしていて、石原都知事ではないが、なじみづら
い難しい発音の名前で顔と名前の一致が困難になります。でも、終盤に
かけてその問題は大したことではなくなります。もし、気になればDV
Dですので気軽に最初の方のシーンに戻ってください。
ジュネならではの憎みきれない人物の描き方、「アメリ」と同じ主人公
の女優の美しさ、細部にまでこだわったセットや映像、丁寧に丁寧に描
かれています。だから、どの映画も及第点以上のいい作品になります。
映画への愛が溢れる恋愛ミステリー。
一次大戦中の仏、婚約者のマネクが戦死したという知らせ(自傷した罪で死刑を宣告され、最前線に送り出された)を絶対に信じないマチルド。彼女は、一緒に死刑宣告を受けた4人の消息を探り徐々に真実に近づいていく、マネクの生存を信じて。マチルドは小児マヒで片足が不自由で両親も事故で死んだ。様々な苦難ゆえか少々不思議なところのある女性で自分の中で作った「願」を断固として信じる。信じる力は彼女に全く障害を感じさせない行動力をも与える。こういう個性的な女性を演じたら右に出るものはいないのはアメリで実証済み。とても良く似合っていました。若干不器用で頑な、マネク意外には可愛気もない、でも空想力と感性の強い女性、面白い役どころです。
マネク役のギャスパーは相変わらず美しく優しい目をした好青年。
マチルドの行動・様々な人々がもたらす戦場での証言・同時進行で起きる事件・・五人の内で生存しているのは誰?マネクは生きているの?五人の人生に関わっていた人々の過去と現在の状況を上手に絡めて飽きさせない演出が良いです。一人一人に人生があり、残酷であったり、哀しみに満ちたエピソードを少々のユーモアで緩和させているのも面白い。
再現された田園風景、パリ、すべてがレトロな映像で美しい、それに反比例して戦場の地獄は無残。この対比がレトロな映像に心地よく酔っていた見る者を上手い具合に「事件」に引き戻す。
ラストは少し予想がついていたけれど、別にそれはそれで良し、です。美しい庭に美しい日差し、現実世界ではこれからまた二次大戦が始まるという事をしばし忘れたい心地でした。
只、アメリの役があまりに強過ぎて「不思議な女の子」の役しかつかないのではないかと一寸心配ではありますね・・マチルドは魅力的ですが私には身近にいたら苦手なタイプ・・正直所々目が怖過ぎた。あと、仏映画はどうして裸のシーンを挟まずには撮れないんだろうなあ、と少々。