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当時「奇跡」と言われた、フリートウッド・マック最盛期メンバーの再結成ライヴ。 ステージ・ディレクションは、やはりこの直前、驚愕の再結成を果たした「イーグルス」の MTVライヴを演出したスタッフです。 5.1ch音声も含むこのDVDは、当時としてはまだ珍しかった音楽DVDソフトの普及に大きく貢献。 CDの方は本国アメリカだけで700万枚以上を売り上げる大ヒットとなりました。 このライヴが素晴らしいのは、結局、フリートウッド・マック最盛期メンバーが、 「いかに卓越していたか」という事に尽きます。 リンジー、スティーヴィー、クリスティン3人の個性的なヴォーカルが、 時にはメインに、時にはコーラスに回るわけです(当たり前ですが)。 例えば、スティーヴィーがコーラスしたりする訳ですが、 それは単なるバックメンバーによる「コーラス」とは、明らかに存在感が違いますし、 その「コーラス」自体に意味が生まれてくるわけです。 だって、スティーヴィー・ニックスですよ・・・! 勿論、彼女だけに限らず、3人ともにそうなのですが・・・ スタジオ・レコーディング時は、自分自身で多重コーラスを付けたりもするのですが、 これはライヴなのでそれは当然無く、しかもハッキリ判るのです(映像もありますし)。 シンプルなのに独創的なアレンジの素晴らしさ、演奏の確実さ、音質の良さなど、 優れた部分も多いのですが、特にその事が印象的でした。 CDには未収録の演奏もありますし、 マーチング・バンドを従えた「タスク」「ドント・ストップ」の感動的なフィナーレもあります。 自分はPCM音源をiPodに入れて、「フルヴァージョン・ザ・ダンス」として楽しんでます。 オリジナル・レコーディングも素晴らしいですが、 それに適度なスリルが加わったこのライヴ、必聴です!!
フリートウッドマックは本当に好きなバンドだ。 このバンドの音楽は「洗練された」という切り口から語られることが多い。ロックというより、ポップスと認識している人も多いだろう。しかしもし本当にそういう音楽だとしたら、私はこのバンドを好きにならなかったはずだ。 フリートウッドマックサウンドは、羊の皮をかぶった狼だった! ミックのドラムにはどこか原始的だ。アフリカの匂いもする。スティーヴィーの楽曲やヴォーカルはジプシー的、魔女的だった。そしてリンジーも原始的、いやリンジーは狂気の人だった! その個性をバランスよく制御することによって成功したのが『噂』だった。そしてその個性を暴走させたのが『タスク』だった。後者は失敗作といわれた。しかし熱狂的マックファンである私にとっては『噂』よりも好きなくらいだ。 さて『ダンス』の話である。再結成ライブは、みた後で「みなきゃ良かった」と後悔することが多い。ところが『ダンス』は期待をも上回る出来栄えだった!特にリンジー・バッキンガムは全盛期よりパワーアップしていた!山から下りてきたツァラトゥストラのごとき風格だった。山でギターの猛修行を積み、再び地上に舞い降りてきたかのような凄みがあった。風貌も含めて。その反面、スティーヴィー・ニックスは容貌も含めて衰えを隠せなかったが。 『ダンス』の最大の見所はリンジーの『アイム・ソー・アフレイド』だ。わたしは誇張ではなくこの曲は繰り返し100回以上聴いて、80回以上は涙した。魂を揺さぶられるとはまさにこの事である。これほどまでに聴く者の情感を揺さぶるギターソロがかってあっただろうかとすら思う。そうとう大げさだが。(笑)ボーカルもいい。この曲のあと、会場がスタンディングオベーションになるが、私はこの観客がうらやましくてしかたがない。 このライブはこの一曲だけではない。冒頭の『チェイン』もいいし、ここで初めて披露された新曲があんがいどれもいい。それでも次の次の見所は『タスク』と『ドント・ストップ』だ。ともにアンコールで演奏された。『ドント・ストップ』は名曲だらけの『噂』の中にあって、特に目立つ曲ではなかった。ところがクリントンが大統領選で、このテーマ曲を自分のテーマ曲に選んでいた。その結果、この曲は国民的ナンバーになっていた。アンコールでは、このナンバーをUCLAのブラスバンドを従えて、熱狂のライブに仕立て上げた。 このライブは、90年代半ばに行われた。全米チャートがラップ一色に染まった時代だ。そんな時代に70年代のバンドだったはずのフリートウッドマックのこのライブが全米チャート(ビルボード音楽チャート)で1位に輝いた。このDVDはそのライブの映像版だ。 個人的には、『アイム・ソー・アフレイド』一曲だけでも買う価値があると思う。