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アマデウス [DVD]

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アマデウス [DVD]の解説

   1825年、オーストリアのウィーンで、1人の老人が自殺を図った。彼の名はアントニオ・サリエリ。かつて宮廷にその名をはせた音楽家である。そのサリエリが、天才モーツァルトとの出会いと、恐るべき陰謀を告白する。「モーツァルトは殺されたのでは…」。19世紀のヨーロッパに流れたこのミステリアスな噂をもとにしたピーター・シェーファーの戯曲を、完ぺきに映画化。第57回アカデミー作品賞ほか、全8部門を受賞した。
   ふんだんに流れる名曲群、舞台にはないミュージカル部分の追加、チェコのプラハでオールロケした美しい映像など、そのすばらしさは枚挙にいとまがない。監督は、チェコ出身の才人ミロス・フォアマン。2人の音楽家の精神的死闘は、見る者を極度に興奮させる。(アルジオン北村)

アマデウス [DVD]の商品レビュー

5.0 人間ドラマの傑作。モーツァルトとサリエリどちらに共感できるだろうか…
このストーリーは、年老いたサリエリが自殺を図り、病院で若い牧師相手にモーツァルトを殺したというおぞましい体験を語ることからスタ―トし、その理由とそこに行き着くまでの心理過程が明らかにされていく重厚な人間ドラマである。
鑑賞してまず感じたのは、1.サリエリの心理描写が克明だということ、2.各人物の背景の対比がはっきりしているので、主人公であるモーツァルトとサリエリの二人を常に比較しつつストーリーを追うことができ感情移入しやすいこと、3.衣装や劇場が非常に精緻で本格的であり当時の生活(上流階級の)、文化を堪能できたことである。
特に、1と2についてはここまで人間の内面の襞、暗部をえぐりだし、まっとうな人間が狂気に走らざるをえなくなる心理過程を丹念に表現したこと(ここにこそ焦点をあてて物語は進むとも感じられる)に感心させられた。曲が湯水のように頭の中で湧き上がる天才モーツァルトと、神を信じ神の偉大さを音楽で世に表現したいと願う敬虔で努力型のサリエリ。二人は能力においてだけでなく、幼少期の生活環境でも大きな違いがある。そんな相容れるわけも無い二人が宮廷という場で出会ってしまったことがサリエリだけでなくモ―ツァルトにとっても悲劇と感じた。
つまり、映画を観ているとサリエリの一方的な語りでストーリーが進むこともあって、サリエリの欠点ばかり目に付き圧倒的な優劣関係にあると思える二人の関係も宮廷という権謀渦巻く世界では一概にそう割り切れないと思えるのだ。
なぜならば、サリエリは宮廷内で確固たる地位と財を築くもモーツァルトこそが神に認められた者と感じ不平等を嘆き苦しむがその一方で、モーツァルトは音楽の天賦の才はあっても常識や金銭感覚、世情に疎いため宮廷内では味方を得られない世渡りの不得手さがあるからである。
なので、音楽という狭い範囲で考えればモーツァルトが優位にあっても社会一般で考えればサリエリの世渡りが勝っている。
一人の人間というレベルで分析すれば二人ともに欠陥があり、その自分の欠陥部分を取得しているのはサリエリであり、また、モーツァルトであるとお互いが理解し、お互いを認め合っていたのではないかと感じられた。音楽でしか自分を表現しみとめさせることができず、借金や宮廷内での軋轢に悩むモーツァルトと、確固たる地位はあっても自らの音楽でこそ周りを認めさせたいと渇望するサリエリ。2人ともそれぞれ欠点と悩みを抱え、モーツァルトはますます酒と作曲に没頭して命をすり減らし、サリエリは敬虔であったからこそその反動で神とその創造物モーツァルトを憎みさらに狂気に向かい2人とも悲劇へと突き進む。
私個人としては、このストーリーは嫉妬や復讐、天才と凡才という枠を越えた2つの違うタイプの生身の人間そのものに着目して「人間」というものを克明に綴った作品と思えてならない。
モーツァルトのオペラや音楽をいくつも堪能しつつ、ストーリーの奥深さをしっかりと味わいながら過ごす2時間30分は非常に有意義なものになると思います。お薦めできる作品です。
5.0 天才と秀才の永遠の相克
音楽史に永遠に残る天才の人間像が、こんなにお調子者で、軽薄で、この上なくお下劣ってのが映画的っていうか面白かったですね。天才は天才であるが故に秀才が一生懸命努力して成し遂げた成果をいとも簡単に鼻歌交じりで突破してしまう。しかも秀才であるサリエリには、近辺の誰よりもその芸術性の崇高さが理解できてしまう。

こういう芸術家同士の相克ってのは、神代の昔からあったんでしょうね。政治家の与謝野馨が、祖父の与謝野鉄幹(秀才)と与謝野晶子(天才)の関係がこうであったと何かの新聞に書いていました。 「神は天上の音楽を理解できる耳を与えながら、天上の音楽を作曲できる才能は与えてくれなかった。」と言うサリエリの魂の叫びは、過去から現在に至る多くの秀才型のクリエイター達の魂の叫びと同一でしょう。

モーツァルトのあの笑い声、神に選ばれた最良の者が、それ以外の凡人を見下すようなあの「ヒャッハッハッハッハッハッハ」というメチャクチャ感に障る笑い声。サリエリは彼が死んだ後も永遠にあの笑い声の残像に悩まされた事でしょう。神の恩寵を受けたモーツアルトに対し、神に見捨てられたと解釈したサリエリは復讐を決心し、晩年その事を神父に告白しますが、救いを与えるべき神父が語る言葉を失っていく様子が印象的でした。
5.0 格調高い心理サスペンス
「凡人よ、凡人を罪を許そう」
サリエリの言葉が、苦く胸を突きます。
「天才」モーツァルトと「天才を知り、その高みに少しでも近づきたいと願う一流の凡人」サリエリとの、
格調高い心理サスペンスを堪能させてくれる傑作です。

「ドン・ジョバンニ」「魔笛」「フィガロの結婚」など、オペラの挿入が多く、
映画的な贅沢な映像と作曲の背景を味わうことができます。

音楽はモーツァルト初心者にもよく知っている方にも納得の選曲で、
指揮者ネビル・マリナーの力が大きいですね。
冒頭の「アイネ・クライネ…」の使い方は、思わず苦笑してしまいますし、
「交響曲25番」や「ピアノ協奏曲20番」は、実によく映像にマッチしていました。
でも、最後耳に残るのは「レクイエム」ですが…。

今年は、モーツァルト生誕250年にあたる年ですから、
また、ブームが来るかもしれませんね。
5.0 モーツアルトの音楽とストーリーの融合が見事!
舞台劇「アマデウス」の原作者であるピーター・シェーファーが映画用に脚色した作品ですが、映画としてストーリーが非常に完成されています。おまけに指揮者ネビル・マリナーが音楽監督として参加しているので、モーツアルトの音楽の挿入の仕方がさりげなく、かつ巧みで、唸ってしまいました。モーツアルトに対する父親の影響力の大きさなども興味深く、この映画を見ると、「フィガロの結婚」、「ドン・ジョバンニ」、「魔笛」などモーツアルトのオペラをもっと楽しく見ることが出来ると思います。

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