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海を飛ぶ夢 [DVD]

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海を飛ぶ夢 [DVD]の商品レビュー

4.0 こんな夢を見てみたい
 スペイン映画の秀作には人間の持つ一般的な理性を超えて、より歯止めの利かない本能的な情感・選択を追求・優先したものが多いような気がします。だから当然生理的、理性的批判がされます。「何であんなひどいことをするんだ」「あのシーンはどうなのか」と。私も理性と情感の間でもがきました。監督も過剰反応は覚悟の上でしょう。

 観終わった後、そんなすぐに感想も何もありませんでした。劇中、監督も敢えて色々な考えを盛り込んでいるため、それらが絡みこじれ消えていくからです。あんまり書くとネタバレですが、これを「新たな尊厳死」のケースだと考えることにはやはり抵抗があります。
 ただ、そこが物語の焦点ではないことも事実です。だとしたらもっと裁判のシーンに時間を割いた、バリバリの社会派映画になっていたでしょう。

 ラモンは絶対的な孤独を味わっていたわけです。家族がいても、これは避けがたい孤独です。そんな彼が「周囲の人々のために生き」続けるのは限界があります。だから彼は、「自分のために生きること」を選んだのです。これを「逃げ」と見るか、「選択」と見るかは人によりけりだと思いますが、少なくとも安易な逃げではないでしょう。
4.0 尊厳死
事故により四肢麻痺に陥ったラモンが尊厳死を求め、周りの多くの人々との関わりを描いた作品。
この映画ではあくまで、尊厳死を肯定したものではなく、
様々な考え方から、観ている者に考えさせられる作品になっています。

中でも私が印象的だったのは、死ぬために生きる。前向きな死。
といった事。
日本で一般的に言って、「死」とはあくまで後ろ向き、逃げ、なものであると捕らえられる事が多い。
だが、映画中にもあるように、周りの人の愛情は素晴らしく、まさに愛に溢れた環境にあるラモン。
それでも、ラモンは事故にあってから26年間の自分の人生に尊厳はなかった、というのが強く残りました。
似た境遇であるフリアと出会い、ラブストーリーもあるんですが、
それに対比されたように、いわゆる普通の恋愛もさりげなく描かれており、その2つが印象的です。

観終わり結果、答えが出る訳ではありませんが、一度観る価値のある大人の映画だと思います。

10点中7点!!
4.0 自由な世界への魂の解放
海の事故により四肢麻痺に陥ったラモンが、裁判所に安楽死を認める訴えを起こす。血管性痴呆症という難病におかされている女弁護士フリアは、その裁判の手伝いをするうちに、同じ境遇のラモンを次第に愛するようになっていくが・・・・。

万事不自由なラモンは、寝たきりになっている部屋の窓から海へ飛び立つ夢を唯一自由に見ることができる。荒川静香の金メダルソング<誰も寝てはならぬ>をBGMに、夢の中の海辺で二人がキスを交わす場面はとても美しい。「ニューシネマ・パラダイス」のキスシーン・コレクションに是非加えてもらいたいほどの名シーンだ。

裁判所へ向かうべく久々に外出するラモンが、その道中でさまざまな<生の輝き>に遭遇する。しかしながら、尊厳死を望むラモンの決心はあくまでも揺るがない。けっして世をはかなんだマイナスイメージの<死>ではなく、自由な世界への魂の解放ともいえる積極的な<死>を本作品で描くことに、アレハンドロ・アメナーバル監督は成功している。

たとえ、愛する女の記憶からも解き放たれる結果になったとしても、生の拘束から自由になったラモンの魂は、気持ち良さそうに海の上を飛び回っているように見えた。
4.0 生きる意味を考えさせられる
何よりも印象的なのが、生きることは「権利」であり、「義務」ではないと訴える主人公。
生きることは素晴らしい、生きていればきっといいことがある、という考え方は、決して間違っているわけではないとは思うけれども、それはある意味生きることを義務付けてしまう方向になりかねない。
人の助けなしには何にも出来ない、寝返りを打つことすら出来ない主人公にとって、生き続けることが拷問とまでは思ってないかもしれないけれども、生きることが義務にしか感じられなくなっている。
だからこそ、生きることは権利なのであり、自分で絶つことも出来るはずだという考えは、賛否両論があると思う。
実際に映画の中でも、同様に麻痺しながらも生きている神父や、親や血を分けた兄弟からも反対を受ける。

いろんな立場からの意見も描き、安易な話にはしていないため、しっかりと考えさせる映画ではあるけれども、海を飛ぶ空想シーンは綺麗だし、重すぎず優しいタッチになっているところが素晴らしい映画です。
生きることについて考えてみたい方にはオススメ♪
5.0 尊厳とは如何なものか?!
重要なのは、ラモンが死を切望しているのは、
弱さからくる逃避ではなく、確固たる意志を持ち、ただ尊厳を勝ち取るためだということですね。
その分、より生と死がはっきりと見つめられた作品に仕上がっていると思います。
それでも果たして法が、世が、家族が、尊厳死を認めるか否かといったら、とても難しい問題ですね。非常に切実な問題だと思います。
ラモンの「自分の人生には尊厳などなかった」という台詞がとても悲しかたですね。。。
それでも、これは、主人公が明晰な男であることも一因していますが、
大袈裟な演出は一つもなく、物語は非常になだらかに運ばれていきます。
ラモンにとって如何に死というものがすぐそこにあるものだと認識されていたかが示されているように感じましたね〜、切ない。。
死というもので果たして尊厳を勝ち取れるのかどうか、正解はないでしょうが、
少なくとも彼のそれを勝ち取るための訴えや闘いこそは、まさに尊厳を勝ち取るためにあったような気がします。
生と死を考え詰め、思い詰め、自分がいかな存在か目をそらすことなく真っ直ぐ見つめる男。
生死の価値観はともかく、その誇り高さにはこの映画を観て学ぶものも多いのではないかと思います。
単純に「感動した!!」なんて言葉では表現できない良さがありました♪

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